ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
WHISKY & UNUBORE
 アルバム発表前に行われたイベント(ロフトーク→詳しくは、「Live Report #3」に書いてあります)で、この曲の音源を初めて聞かせてもらいました。(13曲の中からこの曲を選んだのは、もしかしてリキッドでの初ワンマンで演奏しなかったからかな…)
 その時は、とにかく笑える曲だって感想が強かったんですが、CDでちゃんと聴いてみると、もちろん笑えるんですが、それだけじゃなくて、とってもいい曲だなって思いました。
 オレの勘違いでなければ、この曲ってキーボード入ってるみたい。いろんな音が混じってファニーな空気を醸し出しています。「五合ビン〜」とか「ワンカップ〜」とかのコーラス(?)が入るのも笑えますけど、「酔狂を悪いとは思わん…」からの呪文部分の導入部からの演奏が鳥肌立つほどカッコいいと思います。
 先日放送されたViewsicの「ZAZEN BOYS SPECIAL」で、向井さんの支持に従って3人がマイクに向かって並び「酔っ払い〜」とかの録りをしている映像がありましたけど、何度見ても笑えます。
 
KIMOCHI
 バラエティに富んだこのアルバムの中でも、とりわけ異色なのがこの曲だと感じます。もちろんいい意味でですよ。
 作曲家としての向井さんは、いわゆるバラード調の曲を今までほとんど公表していないと思います。この曲だって、必ずしもバラードとは言えませんが、しいて言えばそんな空気がありますよね。こういう曲は、今回のアルバムだけじゃなくNUMBER GIRL時代の曲にも極めて少ないと思うんです。
 以前、向井さんは『delayed brain』についての自己解説(「Quick Japan 42号」)で、「とりすましたブラコン・グループのドラマーが実はキチガイで、しっとり感をぶち壊すように叩きまくるってことにして…」出来上がったって語ってますけど、『KIMOCHI』にもその発想に通じるものがあるような気がしました。ヴォーカルはファルセットも使ってブラコン・バラードっぽい部分が多いですが、絡んでくる楽器軍の音は狂気じみてますよね。
 ライヴでは、後半の「貴様に伝えたい 俺のこのキモチを」の部分で、「野に咲く花のように 美しくなりたい」と歌詞を換えてメンバーが一人ずつ歌ってくれましたけど、そういう意味でも異色だと思います。
   
SI・GE・KI
 このアルバムが出る前に、一番早く我々が耳にした曲は、たぶんこの曲ですよね。もちろんヴァージョンは違いますけど…。
 NUMBER GIRL解散後、向井さんがMATSURI STUDIOで録音して、個人として最初に発表した音源は、「Quick Japan 50号」の付録CD『SI・GE・KI』のはずですよね。
 その付録ヴァージョンについて向井さんは「いろいろといじっているうちに、こういう気色の悪いリズムになった」と語っていますが、たしかにこのヴァージョンはメロディラインはほぼ一緒ですが、かぶせて入れてあるシンセやエレピの音が不気味です。
 その後、ZAZEN BOYSとしての初ライヴだったライジングサンフェス(見には行けませんでしたけど…)でも、既にこの曲をやってますが、今度はベースビートの効いた曲に変身していました。そして、このアルバムでは「桃色、青に変わる瞬間…」まではメロディラインに乗らないヴァージョンですよね。
 一つの曲のいろんな料理法を楽しめる意味でも、美味しい曲だって思います。
 
IKASAMA LOVE
 このアルバムで一番短い曲です。演奏時間は2分8秒ですから、一番長い『開戦前夜』(8分40秒)の4分の1にも満たない短さなんですが、その中に美味しさがギュッと詰まってます。また、向井さんのシャウト系ヴォーカルが全面に聞けるという意味では、『COLD SUMMER』と並ぶ数少ない2曲のうちの1曲ですよね。
 酔っ払ったような聡さんのギターとひなっちベースの掛け合いや、「勝〜つ……かっ……かっかっかっ」となってく部分の向井さんとアヒト君のセメギ合いなど、短いながら聴き所満載の曲だと思います。
 個人的な現在のお気に入り部分は、「かっかっかっ」が終わった後のエンディング部分で向井さんが発する気合声「はっ。あ〜。えっ。うぉ〜い。う〜ん。はっ。よっ。う〜。あっ。お。ほい。ふん。はっ」です。  
MABOROSHI IN MY BLOOD
 火がついたバンドの疾走は誰にも止められないって感じで、この曲も超カッコイイ。オレは、この曲を勝手に「お祭りファンク」って思ってます。
 短いブレイクごとに入る切れのいいヴォーカル、ヤンキーな(町田じゃないけど)ギター、ズンズン来るベース、突き刺さってくるドラムス。どれも脱帽です。
 このアルバムって、どの曲も終わり方(ガ〜っと鳴ってたのが、ピタっと終わる感じ)がカッコいいって思うんですけど、この曲なんかも潔いなあ〜。
 個人的に、今気に入ってる部分は、「はりついた24時間」と「はっきり見える血液の流れ」の間の間奏です。
 関係ないすけど、「笑うエロティックマガジン」ってもしかして小倉優子が表紙の「sabra」のことですかね?

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Last Updated: 2024/4/13 Sat.

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