ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
記憶と妄想(イベント篇) #2
 次に見に行くAXのライヴまで、ちょっと間があるんで、少し古いですけど先日1月18日に新宿のタワレコで行われたインストアイベント《向井秀徳のクレイジー弾き語り道場》のことを書きます。
 ファンの方ならご存知のとおり、このイベントは新宿タワレコでZAZEN BOYSのCDを買った人に抽選で入場券がもらえるという方式でした。オレは、券なしでしたが、渋谷と違ってショップとフロアがおんなじなので、囲いの外から覗き見参加しました。(だから、ほとんど顔はモニターでしか見れなかったですけど…)
 第一部が、向井さんが箱から「だれだれ風」ってカードと曲名の書いてあるカードを引いて、即興で曲を作って弾き語るコーナーでした。でも2回とも「長渕風」を引いて「なんやこれ、長渕しか入っとらんのやないか?」って言ってました(笑)
 その次が、あらかじめ歌詞を作って出した参加者から数人が選ばれて、自分の歌詞を自ら向井さんの即興ギターで歌うコーナーです。けっこう緊張してる客に対して、コーラスを付けたりする向井さんは楽しそうでした。その次に、挙手による質問コーナーがありましたが、一人妙な質問をした女性がいたんでハラハラしました。
 最後は、無戒秀徳ソロライヴ。『delayed brain』『SI・GE・KI』『自問自答』を弾き語ってくれました。その後、一回引っ込んで、正式な入場者に対する握手会があったみたいですが、それについて向井さんがサイトの日記で「並んでもらって一人づつ握手するというのは生まれて初めてで実にヘンな気分だった。作家的な、写真集的な。」とコメントしているのが向井さんらしいですよね。
  
Live Report #6 :QUATTRO(040201)
2004.2.1 渋谷Club Quatro
 
 この日は追加公演ですが、結果的に今回のツアーにおける東京での初ライヴになったわけです。クアトロって、偶然にもNUMBER GIRL時代の初ライヴアルバムの収録会場じゃないですか。だから、そういう意味でも超期待だったです。
 実はオレ、クアトロって初めてだったんです。だから、中の様子とか知んなくて、しかも整理番号が超遅かったんで、「今回は耳で音聞くだけかな〜」って思って入りました。でも、中に入ってみるとステージが高くなってて、とても見易い構造でした。しかも、宇都宮や水戸ん時は、開場すると速攻前からギュ〜ギュ〜埋まってく感じだったんすけど、この日は最初ユルユルだったおかげで、ZAZENの神様のお導きか、なんと前から2列目(左端)で見れたんです♪
 その幸運に感謝して、今回のレポは、読んで下さる方が見易いように、まずセットリストを書かせて頂くことにしました。
 
1 Fender Telecaster
2 SI・GE・KI
3 The Days Of NEKOMACHI
4 USODARAKE
5 INSTANT RADICAL
6 MABOROSHI IN MY BLOOD
7 YURETA YURETA YURETA
8 IKASAMA LOVE
9 開戦前夜
10 TANUKI
11 delayed brain
12 SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
13 COLD SUMMER
14 WHISKY & UNUBORE
15 KIMOCHI
16 自問自答
UN:半透明少女関係
 
 メンバーが登場する前に、会場ではいろんな曲が流れていますよね。今回のツアーではZAZEN BOYSに対する向井さんのセルフコピーにもあるLED ZEPPELINがよく掛かってますが、この日は登場QUE曲「マーキームーン」の前2曲がZEPPELINでした。そして、約10分押しで4人が登場。
 4人とも、現在の地元に帰ってきたせいか、なんか余裕が感じられる登場でした。コブシを突き上げるひなっち。そして、向井さんはいつもの片手挙げポーズで、俺らを挑発し、「シ〜ブ〜ヤ〜」を連発。また、「SHIBUYA BURNING」(渋谷は燃えている)も連発。思わず『シブヤROCKTRANSFORMED状態』とダブってしまい、なんか感激しました。何度かのコールの後「ニ〜ク〜ヤ〜」って叫ぶんで笑えました。それから「張り切って参りましょ〜う」と言って1曲目へ。こんなの初めて☆イイ感じにリラックスしてるんだなあ、って感じました。
 4曲目までは、一気に駆け抜けていきます。会場のノリも、この日はすっごくナイス(?)ていうか…「聴くとこは聴き、ノルとこはノル」って感じで、オレ的にはすっげ最高にイイ感じの状態だったと思います。「飛んだり跳ねたり春猫祭り」とか跳びドコロでは、みんなピョンピョンだし…。また、ひなっちが飛ぶ飛ぶ。
 短いMCの後、5〜8。1曲が割に短いのと楽し過ぎるせいもあって、アッという間に過ぎていき、そして静寂。緊張感のあるピリっとした空気の中から9曲目『開戦前夜』が始まります。ソロ部分に入ると、向井さんは各パートごとにメンバー紹介をしますが、この日は一段とアダルトな感じでした。ソロパート終了後、水戸で実験したような〈ヴォーカルがブツブツ切れてブレイクを作り、その間、楽器群がインプロ的に掻き鳴らす〉というヴァージョンでの演奏でしたが、これがまたカッコ良かったです。
 10曲目は、聴くたびに楽しさが増してきました。そんな『TANUKI』に続いての『delayed brain』。この日の歌詞は、原曲部分だけでしたが、演奏がいつもよりムーディーで、それこそブラコンっぽいテイストでした。この次の『SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE』は、久しぶりに聞きましたけど、名曲ですね。
 『COLD SUMMER』に入る部分とエンディングのゾクゾクするようなギターにかぶせた向井さんのつぶやき「あれ、鈴虫が鳴いている」が、哀愁を帯びて素敵でした。
 この日のライヴで目立ったのは、ビート隊・アヒト君とひなっちが「おいおい、怪しいんじゃないの〜」って思うほど仲良さそうなアイコンタクトを取ってたことです。変な意味じゃなくて、なんか男が見てても妬けちゃうほどでした。14・15なんか、ひなっちはずっとアヒト君の方ばっか見てて、またアヒト君が最高に楽しそうな笑顔とスティックで応えてるんです。そんな2人を見てると、こっちもマジで楽しくて、「やっぱ最高に息の合うメンツでやってんだな〜」ってまたまた感動しました。
 この日の『KIMOCHI』は、大合唱ヴァージョンでした。「野に咲く〜」部分で、向井さんが元々の歌詞とゴッチャになってしまい、自らプッと吹いたのが笑えました。
 アンコール前に、シングルCDのリリースを断言し、「4曲入り」ってことまで言ってくれました。(「同時に録音したが、アルバムにはコボれた4曲」って言ってましたから、たぶん『TANUKI』『半透明少女関係』『delayed brain』『6階の少女』の4曲ですよね)
 そしてバリヤバの『半透明少女関係』。サビの「関係した〜い」の間に「関係者出て来い!」って言ったのが良かったなあ。
 初体験のクアトロは、PAのバランスがメッチャいいハコで、全ての楽器の音がクッキリと聞こえるんですよ。だから、爆音に身を任せて飛び跳ねつつ、しっかり音も聴けるっていうか…そういう意味でも、この日は最高でした♪
Live Report #5 :水戸(040125)
2004.1.25 水戸Light House
 
 時間と経費節約&体力維持のため、前夜は宇都宮の安宿に泊まって、JR水戸線(初めて乗りました!)にて水戸にやって来ました。
 前日のハコは駅近でしたが、この日の会場は駅から少し離れて(早足で歩けば10分ぐらい)います。オレにとって、ここに来るのは2回目で、メッチャいい印象のあるライヴハウスなんです。前に来た時は、NUMBER GIRLのナムヘビツアーだったんすけど、キャパが小さい分、客との一体感がすっごく良くて、また、その日の演奏に別ヴァージョンが多くて(『記録シリーズ・緑』に一部収録)最高だったんです。だから、この日も期待は高まりまくりでした。しかも、この日は前日より1列前の2列目!ワクワクです。
 やがて登場したメンバーを迎える会場のヒートアップぶりは、水戸の方が凄かった気がします。後ろからのオシも強烈でした。それに“おっとな〜”な感じで片手で応える向井さん。なんか、ちょっとだけ余裕が感じられたりしました。
 この日も『Fender Telecaster』から始まり『SI・GE・KI』『The Days Of NEKOMACHI』『USODARAKE』という流れは一緒でしたが、客の反応がやたら凄いんですよ。なんていうか最初からタテノリしまくってる感じ。
 この後のMCも含めて、この日の向井さんは「M・I・T・O」を連発。ほんとは水戸っ子じゃない俺らも含めて会場も「M・I・T・O」って返す笑えるやり取りがいっぱい。
 そしてこの後、曲順は自信ないけど『INSTANT RADICAL』『MABOROSHI IN MY BLOOD』『IKASAMA LOVE』『YURETA YURETA YURETA』と超ライヴでノリ易い系の曲が続きました。俺らもノリまくり状態。楽し過ぎ〜♪(ただオレ的に一つだけ気になったことがあるんです。それは、でかい声で一緒にフルで歌ってる人が何人かいたことです。アヒト君サイトのBBSでもチョコっと話題にされてましたけど、ライヴの楽しみ方は自由なんで人それぞれでいいかもですが、「カラオケじゃないんだからナニも全部歌わんでも」ってオレは思います。やっぱ「歌いドコロ?」っていうか…そういうのってあると思うんですよね。みんなで歌って盛り上がる部分と、ヴォーカルちゃんと聴いて楽しむ部分って別なんじゃんって…)
 『開戦前夜』のソロ部分は、毎回違うんでこの日も最高に楽しめました。この曲の後で、向井さんは変な弾き語りを始めました。歌詞の内容は「レコーディングしたが、アルバムには入りきれなかった曲をシングルで出すつもりだ」というものでしたが、お経のようなフシで笑えました。そんなフシ付きMCに続いて『TANUKI』(…ってことは、やっぱこの曲もリリースなんだ!)、『delayed brain』(別ヴァージョン。ソロの時とかにもやる後半に『ZAZENBEATS KEMONOSTYLE』の歌詞が入り込むやつです)と続き、ナンバガ曲としてこの日は『Abstruct Truth』。場内の熱気もオーバーヒート気味。
 『COLD SUMMER』『WHISKY&UNUBORE』に続く『KIMOCHI』は、大合唱のないシンプルヴァージョンでした。そして、やはりこの日も締めは『自問自答』。なんか前日よりパワフルな感じの会場コールに応えてアンコールに『半透明少女関係』。「連夜で聴けてマジ幸せ〜っ♪」ってキモチになる超カッコいい曲です!
 そして、最後に向井さんは「外でCDを販売致します。私が売ります。お買い上げいただいた方には、私が似顔絵を書きます。営業しとります」みたいなことを言って去っていきました。そんな姿勢も含めて、ZAZEN BOYSが大本気で、マジで、真剣に始動したんだなあって実感したライヴでした。
Live Report #4 :宇都宮(040124)
2004.1.24 宇都宮Vogue
 
 ついに始まったZAZEN BOYS初ライヴ・ツアー“TOUR MATSURI SESSION”。1月10日の高知を皮切りにスタートしたツアーの7発目・宇都宮に行って来ました。
 このライヴハウスは初めてでしたが、駅からも近く、会場自体は地下なんですが、道路に面した地上部分にコインロッカー&物販スペースがあり、なかなか便利なハコでした。
 開演前は、超満って気がしませんでしたが、恒例のマーキームーンが流れ出すとウォ〜って感じのオシが来て、一気に場内はヒートアップしました。
 登場した向井さんは、いきなりモニターの上に乗っかっり手を差し上げて俺らを挑発しました。こんな向井さんを見たのは初めてでした。ツアー開始から、ほぼ中1日のペースであったライヴでしたが、6発目の神戸からこの日までは4日間空いたわけで、その間に充電したパワーを発散しているみたいに感じました。アヒト君のサラサラヘアーは健在でしたが、ひなっちは髪が短くなってました。カシオマン聡さんは、前は気付かなかったんですけど右腕にタトゥーをしてました。
 オープニングは『Fender Telecaster』。今までのライヴに比べて最初の4フレーズがじっくり演奏され、よりインプロ度(即興性)が高まった感じでした。続いて『SI・GE・KI』『The Days Of NEKOMACHI』『USODARAKE』とノンストップでブチ込んで来ます。アルバム発売後のため、俺ら客のノリもリキッドとかよりいいじゃないですか、でもメンバーのテンションは、それを上回ってる感じでした。
 前半の締め『開戦前夜』が、メッチャ良かったです。この曲のジャジーなインプロ要素が大好きだったんですが、この日のライヴでは、その魅力が更にアップ。3人のソロは最高で、特にこの日のドラムソロはシビレました。(オレは、3列目やや左寄りだったんで、叩いてるアヒト君の表情がバッチリ見えて良かったです)
 MC後、アルバム未収録の『TANUKI』。この曲は、初めて聴きましたが、「狐と狸の化かし合い」とか「タヌキがポンポコポンポコ」とかの歌詞も良かったです。(向井さんの日記によると、この曲は去年の10月28日に録音されてるので、シングルに入るかもですね☆)続いて『六階の少女』。これもイイ曲、大好き。ぜひこれもCD化して欲しいです。(日記によると10月17日に録音されてるし…)
 その後が、この日唯一のナンバガ曲『性的少女』。これも、ちょっとアレンジが違うとこがまたいいんですよ。記憶が正しければその後が『COLD SUMMER』。これはライヴで聴くとた・ま・らん。
 そして、ライヴで聴くのは初めての『WHISKY&UNUBORE』。CDで聴けば聴くほど名曲だな〜って思ってたこの曲ですけど、ライヴがこんなに似合う曲とは思わなかったです。最高!「五合瓶〜」とかは、もちろん会場全員で歌いました。
 ラス前『KIMOCHI』では、リキッドみたく「野に咲く〜花のように〜」のリフがあり、向井さんがステージからしばらく消えたかと思ったら、男女一人ずつの客を連れてステージに戻り、2人にも歌わせての大合唱でした。相変わらずカッコいい『自問自答』で、本編は終了。再び現れた4人。そして、向井さんから嬉しいお知らせがありました。
 「レコーディングはしたが、アルバムには入りきれなかった曲がある。それはアルバムの流れと違っていたからだけなので、シングルCDという形で3月頃に出します」みたいなことを語ってくれ、「視聴してみてください」と『半透明少女関係』を披露してくれました。ビートの効いたアップテンポの曲ながら、重層構造にもなっていてカッコいい曲でした。(Viewsic特番のレコーディング風景で、向井さんと聡さんが「ジャ〜ジャッジャジャ〜。ジャ〜ジャッジャジャ〜。ジャ〜ジャッジャ、ジャ〜ジャッジャ、ジャ〜ジャッジャジャ〜」ってやってたの、この曲だったんですね〜)
 MCでは、自分らのことを「ズィーボーイ」と略して連呼していたのが笑えました。
 終演後、地上の物販スペースで、熱を冷ましてると、ふらりと向井さんが現れ「CDを買ってくれた人に、サイン致します」なんて言うんだもん。たまらずもう1枚買っちゃいましたよ。向井さんは、とっても機嫌よく「お名前は?」って聞いてジャケットにサインしてくれました。ライヴも含めて最高の夜でした♪
自問自答
 「冷・凍・都市・から」のカウントで始まるこの曲で、1stアルバムは幕を閉じます。今のところオレの知ってる範囲の情報では、ライヴでもこの曲が本編のラストナンバーみたいなので、そう考えると現段階のZAZEN BOYSを象徴する曲だと言えるかもしれませんね。
 曲の構成は、そんなに複雑じゃないですけど、その分語られるコトバは一番多いですよね。ライヴでも、向井さんは珍しくハンドマイクで呪文を唱え続け、ほとんどギターの弦に手を触れません。その分、ヴォーカリストとして、あるいはバンドのフロントマンとしての主張が熱く伝わってきます。
 呪文(向井念仏?)をフィーチャーした曲だけに、言葉のひとつひとつが心にグサグサ刺さって来ます。とくに「日曜日の真っ昼間…」以降は、刺さり過ぎて痛いぐらいです。
 CDでもライヴでも、凄い緊張感と意気込みで全力投球してるなあって感じますけど、そのシメとして「自問自答」を繰り返すZAZEN BOYSって、やっぱりハンパじゃないって思います。
 

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Last Updated: 2024/4/13 Sat.

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