2005.2.20 恵比寿LIQUIDROOM
鹿野淳氏の企画したイベント“HOLIDAY INN BLACK”は、そのサブタイトルに「BRANDNEW ROCK PARTY & FREE MARKET!!!」とあるように普通のロックイベントとは少し違っていました。
会場となった恵比寿のリキッドルームは、2階にショップやカフェのあるスペースがあるんですが、そこでは開場前からフリマが開かれていて、Tシャツやカードや手作りの靴など様々な店が出ていました。そして、1階のライヴスペースが開場してからも、ただ出演バンドが順番に演奏するというのではなく、途中にラジオ番組収録用のトークショーを挟むなどの工夫がされていました。
開場後、かなり長いDJ TIMEがあり、その後で最初のバンドGREAT ADVENTUREが登場。彼らのライヴに続いて、フロアのステージに向かって左上側のスペースを使って〈向井さん+岸田君+鹿野氏〉のトークショーが始まりました。
構成としては、鹿野氏が進行役となって、ゲストの二人から交互に話を聞くって感じでした。まずは、お互いに相手と知り合った頃の印象を話しました。岸田君は、NUMBER GIRLのことをよく知らず、女の子ヴォーカルのバンドだと思っていたので、会場をうろついていた向井さんを、番組スタッフだと思ったそうです。向井さんも「めったにバンドメンバーだと思われませんでしたね。今でも一番言われるのが先生っぽいと。ウチの先生に似てますとかよく言われますね」とか言ってました。また、岸田君は向井さんを評して「マメな人やね」と。マイクのセッティングからなにから、とにかくマメだと言ってました。鹿野氏も、MATSURI STUDIOに行くと、わざわざ向井さんが入り口まで送り迎えしてくれる「マメさ」を語り、「親のシツケが良かったんじゃない?」と。向井さん、「いや…わかりにくいし、来てくれたら普通しますよ」みたいに言って笑ってました。
岸田君が、尿道結石で入院した辛い経験を語り、岸野氏が入院ネタを向井さんに振ると、「ほとんど入院したことはないですね。ただ…小さい頃、盲腸の手術で入院したことがあります。実は…その時の看護婦さんが初恋の人でした」とか激白してました。どんな人だったか聞かれて「とにかく優しかったですね」だって(笑)。ちなみに、向井さんは病気らしい病気はほとんどせず、風邪っぽいときも強い酒を呑めば、大体治るって言ってました。
二人とも似たような時期にドラムスが抜けた話が振られ、新ドラマー決定への経緯を聞かれると、「前から音は聞いていて、なんか一緒にやったら良さそうな気はしてたんですが、面識がなかった。あの間、いろんな人とセッションをしたんですが、MATSURIのスタッフに、たまたま松下さんと面識があるというのがいて、連絡してもらったら、その時長崎から東京にたまたま出て来てて、じゃあってことでセッションしたんです。そして、一緒にやりませんか、って言ったところ、いいですよってことになって…」みたいな話をしてくれました。アヒト君の退団については「それは残念極まりない。だが、しょうがない」と。それを語ってる時の、まさに「残念極まりないが、しょうがない」という言葉通りの表情が印象的でした。そして、その後、わざと「しょ〜がねっ」をギャグのように連発する向井さん。笑いながらも、なんか感動しました。
さて、トークショーも終わり、犬式・セカイイチのライヴも終わり、いよいよ一日限りのユニット〈無戒秀徳+岸田繁〉の登場です!
ステージ上には、アンプなどの他に、譜面台と椅子が二つセットされており、向井さんは右側に陣取りました。それぞれに、マイクチェックなどをした後、ジャンケンをして、勝った向井さんから演奏を始めました。
基本的には、交互にメインの演奏をしていき、最後がフリーセッションという構成でした。とりあえず、向井さんサイドのセットリストを―――。
1. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
3. Delayed Brain
5. KU〜KI
7. I don't know
9. The Days Of NEKOMACHI
11. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
13. MABOROSHI IN MY BLOOD
15. WHISKY & UNUBORE
18. 無戒+岸田Session
EN:自問自答 (岸田君は、『男の子女の子』)
先手の向井さんは、まあ岸田君が風邪で体調が悪かったせいもあるかもですが、二人のライヴの空気をリードしてる感じで、なんか先輩の貫禄を感じました。自分の番では、ガンガン発熱し、岸田君の時は静かにうなづいたりリズムを取ったりしながら聞いていましたよ。
『Delayed Brain』では、岸田君がブルースハープで参加。フンイキ出ますね〜。更に、エレギのエフェクターリフを使った『The Days Of NEKOMACHI』では、岸田君も、ディレイと対決する向井さんに爆笑しながらアコギで参加。それに応えるように、向井さんも10曲目岸田君の『安来の子守唄』に、アコギのトレモロ演奏で参加。懐かしい空気のいい感じ〜♪『YOUNG GIRL SEVENTEEN 〜』でも、岸田君はブルースハープを。せつなさが増しました。
アコギで狂ったように弾きまくる『MABOROSHI IN MY BLOOD』は最高!元々ファンキーなこの曲ですが、ギターをパーカッシヴに掻き鳴らすアコースティック版は、バンドとは別の狂乱があって必見です♪
14曲目で岸田君は、かなり狂った感じのインプロをやったので、それを見ていた向井さんは声を上げて大笑いしてました。とっても楽しそう。それに続いての『WHISKY & UNUBORE』では、最後のレスポンス部分で「あ〜あ、俺も岸田もすけべっち〜」と歌い、1度目に岸田君が歌わないので、もっかいやって「すけべっち〜」と言わせてました(笑)
次の岸田ナンバーの後、一旦トイレに立って戻って来た向井さんは、おもむろにサンプラーを手にして「ドン」「チッ」「パーオ」など声を録音していきます。さらに「This is Mukai シュットック」と「キ〜シ〜ダクン」も録り、それをリズムボックスとして使いながらセッションが始まりました。アコエレでは、2本のギターを駆使する向井さんですが、この日はギターを岸田君に委ね、本人はもっぱらサンプラー担当。さすが宅録マニアで、ソロダビングの音源もある向井さんです。実に器用な指サバキでサンプラーのボタンを操り、口ドラムをカッコいいビートに。時々「This is Mukai シュットック」と「キ〜シ〜ダクン」を織り交ぜるユーモアも忘れないサービス精神。
さらにさらに!サンプラーのヴォイスチェンジャー機能を使って、高音で、女子高生「タッチだけで1万もらえるよ。誰にも迷惑掛けてないし〜」、低音で、ヤミ金融業者「だましてナンボの商売ですからね。借りるヤツが悪いんすよ」というセリフを曲に絡ませていくんですよ(笑)。もう、なんつ〜か、最高のセンスっていうか、これこそライヴっていうか、バンドサウンド以外でも楽しめる限りのライヴをするっていう向井さんの精神が溢れたメッチャ楽しいセッションでした☆
イベント全体が終わったら22:30を廻っていたという長時間に及ぶパーティーでしたが、マジで楽しかった〜♪向井さん最高!
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