2005.8.28 日比谷野外大音楽堂
7月の渋谷を皮切りに始まった夏のツアーファイナルは、日比谷野音。曜日は違いましたけど、去年夏の野音も同じ8月28日でしたね。去年は、ちょうど2枚目のアルバム発売日直前でしたが、天気はあいにく小雨のパラつくどんよりした曇り空。今年は、昼過ぎまで雨も予想される天候だったけど、開演前までには回復し、雨に見舞われずに済みました。
去年とはメンバーも変わったし、単純に比較は出来ないですけど、あくまでも参考までに書くと、この日演奏された全20曲のうち、去年の野音でもやった曲は12曲でした。―――そんなセットリスト。
1. SI・GE・KI
2. USODARAKE TAKE2
3. 安眠棒
4. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
5. MABOROSHI IN MY BLOOD
6. IKASAMA LOVE
7. HARD LIQUOR
8. BRAIN CONSTRUCTION
9. YURETA YURETA YURETA
10. DAIGAKUSEI
11. TANUKI
12. CHIE chan's Landscape
13. 感覚的にNG(新曲)
14. SEKARASIKA
15. 開戦前夜
16. WHISKEY & UNUBORE
17. COLD BEAT
18. CRAZY DAYS CRAZY FEERING
19. 自問自答
EN. KIMOCHI
この日は、オープニングから新たな展開でした。おなじみ「マーキームーン」が流れて登場してきたのは、なんとひなっち一人だけ。「あれ?」っと思ってる中で、ひなっちがジャズテイストのカッコいいベースソロを。いいなあ〜って聞き惚れてたら、他のメンバーが登場し、そのままベースラインをもらって『SI・GE・KI』に。この展開、新鮮でカッコよかったですよ☆
『USODARAKE』から『IKASAMA LOVE』まで一気に駆け抜けた後の、『HARD LIQUOR』は、新しい後奏付きのヴァージョン!文字で説明するのは難しいけど、素敵なオマケでした。
しばしのチューニングブレイクに続いて『BRAIN CONSTRUCTION』。この日、後半部分にある向井さんのショルキーと他の楽器との掛け合いは、いつも以上に凄まじく、全員から繰り出される狂った振動に酔いしれました。
続く『YURETA YURETA YURETA』(TAKE2?)では、またもブレイクのフェイント遊びがあり、ショルキーを駆使して遊びっぽいフレーズを弾いたり、さかんに「シェイク!」と連呼するなど、緊張と緩和をユーモア精神で繰り返すZAZEN BOYSならではのパフォーマンスが展開されました。
開演前には明るかった空も、すっかり暮れてきました。そんなビル郡を見ながらのMCに続く『TANUKI』や『CHIE chan's Landscape』は、ミディアムテンポな分、音のひとつひとつが暮れかかった野外の空間に染み渡っていく感じで、ジ〜ンと来ました。
その後で、時々向井さんがやる変な外国語交じりのコメントがあり、新曲を披露してくれました!それは、向井さんの日記にも書いてあった『感覚的にNG』という曲でした。コード進行とかは全然違いますけど、スローでフォーキーな前半部分から、だんだん狂乱してくるっていう意味では『CHIE chan's〜』タイプの曲と言えるかもしれません。俺、こういうのも好きです。
そしてその後。俺にとっては、この日のベストテイクかもしれない『SEKARASIKA』。終盤までの疾走感溢れる演奏も最高だったんですが、この日は、後奏部分がアフリカの民族音楽的なアレンジになっていて、それが野外にフィットしまくり、もう鳥肌もんでした!その流れで「せ〜か〜らしか」というコール&レスポンスとなり、途中は「セ〜ク〜ハラしたい」などと変化し(笑)、おそらく10分以上に渡る演奏は、まさにライヴならではの圧巻でした☆マジ楽しかった〜♪
続く『開戦前夜』では、カシオマンにMaxi-Singleジャケットのお面を被らせる遊びもあり、もちろん演奏も素晴らしく、更にその後、密度の濃〜い『WHISKEY & UNUBORE』が続き、更に更に切れ味冴える『COLD BEAT』、熱狂の『CRAZY DAYS〜』、言葉が突き刺さる『自問自答』と続くんだもん―――ZAZEN BOYSの引き出しの多さには脱帽です。…ってゆうか、こんなバンド他にないっすよ、マジで!
野外のせいで声が拡散するのかもしれませんが、アンコールを求める声援や拍手の音量がとても小さい気がしたので、俺はとにかく全身全霊でメンバーの再登場を呼び続けました。
そして再び出てきて届けられたアンコール曲は『KIMOCHI』。「伝えたい」気持ちが、ビシビシ伝わってきました。やがて、終盤。カシオマンを一人残して他の3人は去っていきます。残されたカシオマンは、例のお面を被りながらラストのフレーズをしっとりと弾き続け、最後に彼らしい狂った悲鳴のようなフレーズを掻き鳴らして、お面を取って去っていきました。
ひなっち一人から始まり、カシオマン一人で終わるという演出も含め、この日のライヴは、新たな発見と感動に満ちた素晴らしいものでした☆☆
終演後、ひなっちは比較的早く出て来たので、さっと挨拶を交わしましたが、すぐにクルマで退場。だいぶ経ってから、向井さんが松下さんと出てきました。新曲のタイトルを確認したら「あ〜あ、そうね」とのお答え。松下さんと共にバンで去っていきましたが、途中までスライドドア開けっぱなんだもん、危ないって(笑)。最後に、吉兼さんが歩いて来ました。聞いたらタクシーで帰るんだって。目の前の道は、そんなタクシー走ってなかったんで、俺、少し先まで行って捕まえてきちゃいました。吉兼さんの乗ったタクシーを見送りながら、ZAZEN BOYSと同時代に生まれた幸せを噛み締める夏の夜でした。
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