ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #m-14 :九段(061006)
2006.10.6 九段会館
 
 久々に長い向井さんのアコエレツアー初日の会場となったのは、戦前に建設された風格ただよう九段会館。エントランスも、廊下も、ホールの天井も凝った装飾が施され、開演前から見所たっぷり。あいにくの大雨でしたが、三階まで座席のある会場は立見も出るほどの盛況でした。
 この日は、大変珍しいことに、開場時、入口で係員がセットリストを配布。つまり、開演前から〈ネタバレ〉しておくという趣向です。この会場でライヴをすることへの気合が逆に感じられました。
 
《Acoustic Set》
1. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
2. Delayed Brain
3. 6本の狂ったハガネの振動
4. NEKO ODORI
5. CITY
6. FUREAI
7. Behind Blue Eyes(by The WHO)
8. 転校生
9. TRAMPOLINE GIRL
10. TUESDAY GIRL
11. 感覚的にNG
12. TELECASTER SUMMER
13. 夏は来ない
14. 守ってあげたい(by ユーミン)
     ===休憩===
《Electric Set》
1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
2. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
3. KU〜KI
4. ロックトランスフォームド状態におけるフラッシュバック現象
5. 混ざりこんでる俺の唄
6. KIMOCHI
7. WATER FRONT
8. The Days Of NEKOMACHI
9. 真っ黒けっけの海〜性的少女
10. 自問自答
EN:Delayed Brain
 
 以上のとおり、この日は完全に〈アコ〉と〈エレ〉を分けての構成。これも珍しい趣向です。最近のソロでは、ほとんど〈エレ〉だけの構成が続いていたので、このレポでは、〈アコ〉を中心に書くことにします。
 グレーのハットを被って登場した向井さんは、上手よりの椅子に座って演奏開始。
 いつものように「個人的に盛り上がってまいりました」と言いつつ『Delayed Brain』を弾き語ってから「何分こっちは一人なもんで、拍手などよろしくお願いします」みたいなコメント(笑)
 配られたリストに「金子マリさんに提供した新曲。シティに生きる女、俺たちを描いた」とある『CITY』は、繰り返されるサビコーラスとラップ調の部分で構成されており、バンド仕様でやったらかなりソウルフルになりそうな曲でした。
 次の『FUREAI』は、「DADGADチューニングで作ったインストルメンタルの新曲」と書いてありましたが、本番では歌入り。シタールを思わせるギター奏法で、ジョージハリスンっぽいテイストもあり、またどこかマシュースイートを想起させる名曲でした♪
 ナンバガ時代の3曲を演奏した後、なにげにソロでは聞いた記憶のない『感覚的にNG』。これがメッチャ良かった!ザクザクしたアコギの音が超いい味を出していて、元々好きだったこの曲ですが、良さを再発見させられた感じです☆
 『TELECASTER SUMMER』では、イントロの旋律を「パーパラパッパー」と口で歌ってました。「マニアックな曲があるんすけど…」との前置きで始まった『夏は来ない』は、グル魂のイベントで聞いたことありましたが、改めて聞くといい曲ですね。「バカの一つ覚えのように 俺は待ってた 夏を待ってた」っていう歌詞もGood!
 
 15分の休憩を挟んでエレクトリック仕様の後半は、最近のソロで演奏されてるスタイルを継承した演奏が中心でした。
 その中で、久々に聞いた『混ざりこんでる俺の唄』は、個人的にすっごく良かったです。「俺の目玉に 花模様の妖怪が 笑いながら 舞い遊ぶ」と始まる不思議な歌詞と楽曲の持つ奇妙な雰囲気がマッチして聞き入っちゃいました☆
 『KIMOCHI』で、向井さんは初めて客席に降り、前方の女子をステージに上げて自分のハットを被せて「貴様に伝えたい」部分を歌わせ、さらに「向井ちゃ〜ん だ〜い好き〜 どこか連れて〜 行ってよ〜」という替え歌を歌わせておりました(笑)
 また『WATER FRONT』では、この日初めて「Stand up plrease!」とリクエストし「ウォ〜タフロ〜ン」のコール&レスポンス。その最後に「九段会館、ありがとう!」って言ったのが印象的でした。
 
 アコ・エレ合計でアンコール含めて25曲、約2時間半に及ぶソロライヴは、マジで向井さんの魅力を堪能できた贅沢な一夜だったです(^o^)
Live Report #m-13 :柏(060922)
2006.9.22 柏 ZaX
 
千葉県柏市にあるライヴハウスZaXで、5周年記念のイベントがあり、その初日企画として向井さんのアコエレとeastern youthという豪華対バンが実現しました。
 このハコには初めて行ったんですが、なかなか狭くてステージの横幅が短い俺好みの空間でした。
 
 向井さんの出番は最初。編み込み風のハットを被り、手を挙げて登場し、赤いボディのテレキャスを手に演奏開始。
 
1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
2. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
3. Delayed Brain
4. WATER FRONT
5. KU〜KI
6. 細やかな願い(by eastern youth)
7. The Days Of NEKOMACHI
8. 自問自答
  
エフェクターを利用して音を重ねていき、そこにリードを乗せる手法のイントロで始まる『SENTIMENTAL GIRL'S〜』は、アコエレのレパートリーとして熟成された感があります。
 この日の曲数は、2マンとしては少ない気がしましたが、その分、『Delayed Brain』と『WATER FRONT』では、それぞれに「こんがらがらがらがってる」「ウォータフロ〜〜ン」etc.の長いコール&レスポンスがあり、場内も盛り上がって楽しい雰囲気でした。
 カバー曲『細やかな願い』は、前に聞いた時よりギターの掻き鳴らし方にも歌い方にも力が入っていたような気がしました。競演のイースタンに捧げるパワーが籠められてるみたいでした。
 アコエレ版の『The Days Of NEKOMACHI』は、何度聞いても、引き流し風の静かな部分と、エフェクターと重ねて爆音で盛り上がる部分の温度差がゾクゾクするほどカッコいいです。
 
 続いて登場したeastern youthのライヴも、気迫の籠もった熱くて最高のステージでした!その途中、吉野さんは、ほぼソロ演奏で、向井さんのソロ曲『NEKO ODORI』を歌いましたが、味があって良かったですよ〜(^o^)
Live Report #m-12 :逗子(060827)
2006.8.27 逗子海岸 音霊SEA STUDIO
 
 去年の夏に続いて、今年も湘南の逗子海岸で向井秀徳A&Eのライヴイベントが行われました。場所は去年と同じ期間限定の「海の家」なんですが、名前だけ変わっています。
 去年は、7月の平日17:00開演だったせいか、海岸にいる人もまばらでしたが、今年は8月、夏休み最後の日曜日だったので、海岸は海水浴に来てる人々でいっぱい。まさに「夏の海」ってロケーションで、臨時開設されたクラブでは、砂の上で水着の女子が踊っていたりして、その近くで向井さんのライヴがあるなんて、なんか不思議(笑)。
 木の椅子が全体に置かれていた去年と違って、今年は日曜の集客を考えてか、最前の二列と最後部一列に椅子が置かれてる以外は砂浜そのもの。
 時間になると、山折棒を被り、黒いTシャツの上に黄色いシャツ、ボトムは黒いパンツという出で立ちで向井さんが登場。
 この日は、弾き語りの第1部と、バラエティの第2部に分かれた構成で、第1部のセットリストは、こうでした。
 
1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
2. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
3. KU〜KI
4. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
5. I don't know
6. WATER FRONT
7. Telecaster Summer
8. 激愛(by長渕剛)
9. The Days Of NEKOMACHI
10. ロックトランスフォームド状態におけるフラッシュバック現象
11. 自問自答
 
 この日は、アコースティック・ギターは使用せず、赤いボディのエレクトリック・ギター1本での演奏でしたが、その分、エフェクターやリズムマシーンを利用して、新しいアレンジが披露されてました。
  ディレイにコードをリフレインさせ、それにリード弾きを重ねるという手法で始まった『SENTIMENTAL GIRL'S 〜』。この方法、新鮮でカッコよかったです!
 次の『CRAZY DAYS〜』では、リズムマシーンを先導させ、それに乗って進行。最後は、自分で「フェイドアウト」と言いながらF/O(笑)。なんかMATSURI STUDIOに遊びに来たような感じで楽しかったです。
 折り返しの『WATER FRONT』では、終盤「ウォーターフロント」部分で会場に手拍子を求め、コール&レスポンスに。最後は、「合わせなくていいから、みんなバラバラに、勝手に」みたいな要求もあって、メッチャ盛り上がりました!海岸に響きわたる大合唱は、外を歩いてる海水浴客にも聞こえるはずで、そう思うとなんか素敵☆
 続いて「気持ち悪いからボツになった」と前置きしての『Telecaster Summer』を挟んで、久々の物真似ヴァージョン『激愛』へ。おなじみ「女子をステージに上げて激愛体験を語らせるコーナー」に続き、向井さんが体験した「怖〜い話」(去年と同じ(笑))を。
 いくつかのハードなリフをエフェクターに入力しての『The Days Of NEKOMACHI』は、後奏部分がいつもより長く、向井さんのリードギターがいっぱい聞けて良かったです。
 
 休憩後のバラエティは、まず〈ビンゴ大会〉。旧友でありマネージャーでもある森さんが司会を担当。景品は、「高級フルーツ」「高級包丁セット」「高級録音機材」でしたが、機材が当たった女の子、持って帰るの重そう。
  続いて〈お宝鑑定団〉。鑑定人として向井さんと、NUMBER GIRL時代からのデザイナー三栖さんが呼ばれ、持ち込まれた品物を鑑定します。
 向井さん自身も〈お宝〉を提出したんですが、それは、NUMBER GIRLのメジャーデビューシングル『透明少女』に挟まれた1枚のポラロイド写真。当時の人気アイドル○○ちゃんの直筆応援サイン入りでした(笑)。
 さらに三栖さんは、向井さんがバンド活動開始以前に宅録したカセットテープを提出。向井さんは恥ずかしがりながらも「まあ、ちょっとだけ聞いてみましょう」と、ほんの一部を聞かせてくれましたが、そんなレア音源が聞けるなんて最高に幸せでした♪
Live Report 番外編(060726)
2006.7.26 下北沢 CLUB Que
 
 向井さんが、自分以外のアーティストに曲を提供したことは、今まで一度だけだそうですが、その唯一のアーティストであるhalさんのデビュー10周年記念のライヴイベントが、下北沢のCLUB QUEでありました。
イベントは、halさんと4人のバックバンドによる演奏で幕を開けましたが、澄んだヴォーカルと共に、語りかける彼女の口調には、ひたむきさというか音楽や出会った人々を大切にする気持ちが強く感じられて、とても好印象でした。
 何曲か演奏した後、ゲストのひふみかおり氏、渡辺善太郎氏を順に迎えて、それぞれお互いの曲をカバー。
 その後も、halバンド、ゲストとの競演が交互に繰り返される構成で、ワタナベイビー氏、曽我部恵一氏、昼海幹音氏が登場。どの競演も、トークともども楽しかったです。
 
 そして、最後のゲストが向井さんでした。向井さんは、halさんが呼び出す前に出てきてしまい、halさん笑いながらビックリしてました(笑)
 halさんは、向井さんに曲を依頼した当時のこと、その曲=『6階の少女』のお披露目のライヴイベントで、ZAZEN BOYS結成前のいわゆる〈オリジナルZAZEN BOYS〉がバックバンドで出演したことなどを、向井さんと語り合います。
 そして、「でも、この曲を弾き語りで歌うってイメージがないんですよね。なんかバンドのイメージが強くて…」みたく言うと、向井さんは「まあ、やってみましょうよ」とオトナの対応(笑)をして、最近使ってる青いエレクトリックを掻き鳴らし競演開始。
 この曲は、ZAZEN BOYS初期のライヴで何回か聞きましたが、曲としてのオリジナルヴォーカルであるhalさんの歌(向井さんは、ほんの一部を歌っただけ)と向井さんのギターで聴くと、曲の良さが引き立って格別でした。
 向井さんのゲストコーナーは、この一曲だけでしたが、アンコールでは、ゲストも含め全員でRCの『雨上がりの夜空に』を演奏するフィナーレがあり、向井さんもタンバリンと歌で参加。フロアも一体になってメッチャ盛り上がって、楽しいイベントは終了。
  いや〜、マジ楽しかったな〜♪とってもあったかい素敵なイベントでした☆
Live Report #61 :野音(060702)
2006.7.2 日比谷野外大音楽堂
 
 恒例となった感もある夏の野音。今回は、ワンマンではなく東京事変主催のイベント“SOCIETY OF THE CITIZENS vol.1”への参加でした。
 東京事変、SOIL&”PIMP”SESSIONS、そしてZAZEN BOYSという豪華な顔ぶれに、会場周辺も早くから大勢の人が出ており、ダフ屋もチラホラ。
 夕方までは、雨が降ったりやんだりの天候でしたが、開演時刻の17:30には上がり、その後も幸い雨に見舞われることはありませんでした。
 そんな天候も味方に付けての初夏祭りは、実に楽しいイベントとなりました。
 
 まず最初に登場したのは、なんと東京事変!主催バンドだけに、絶対トリだろうという予想を裏切って、しかもあまりにもフツーに登場したので、会場もあっけに取られた感じの中、『御祭騒ぎ』からライヴは始まりました。(刃田氏が骨折の為、ドラムスはサポート)
 とっても丁寧な林檎氏の挨拶を経て、ライヴは進行。ジャズっぽいアレンジの『茎』の演奏には感激!途中、SOIL〜からトランペットのタブさんとサックスの元晴さんを加えてのセッションもあり盛り上がりました。
 トップバッターだとしても主催のイベントだから、もっとやると思っていましたが、意外にも7曲ぐらいしか演奏せず、『秘密』で終了。曲数こそ少なかったけど、それこそADULTなライヴでした。穏やかな笑顔の亀さんが印象的でした(^o^)
 
 続いての登場は、SOIL&”PIMP”SESSIONS。ノッケから社長が煽り、メンバーのテンションも高く、音の洪水が野音を浸していきます。途中、事変のギター浮雲氏を加えてのセッションもありライヴは進行。
 ヴォーカルがいない分、それぞれの楽器が存在感を主張し合うっていうか、楽器バトルみたいな高揚感に満ちたライヴで、社長の煽りに乗せられて、終盤は思わず踊り狂っちゃいました(笑)
 
 事変・SOILと来たから、必然的にトリはZAZENとなるわけですが、その登場前に、林檎姫の粋な計らい。下手に浮雲・一葉両氏を従えて登場し、「東京事変が最初で意表を突かれましたか?」みたいなコメントの後、アコースティックで1曲やってくれました。
 そして、ZAZEN BOYS。登場曲なしで、全員揃って現れたメンバーは、心なしかいつもよりオシャレ(笑)。ひなっちがキャップ、向井さんが中折帽をそれぞれ被り、カシオマンがグラサン、敦さんが眼鏡をそれぞれ掛けていました。
 
1. SUGER MAN
2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3. USODARAKE
4. SEKARASIKA
5. COLD BEAT
6. FRIDAY NIGHT
7. RIFF MAN
EN1. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
EN2. KIMOCHI
 
 こういうイベントだから、なにか起こるとは思いましたが、案の定まず1曲目が『SUGER MAN』という意外なスタート。この曲を含め、この日のセットリストは、バンドの現在を象徴するような楽曲が選ばれた感じがします。
 『USODARAKE』で熱くなった身体に、続いて浴びせられたのは超久々の『SEKARASIKA』!大好きな曲を、しかも野音で聞ける喜びに浸りつつ、もちろん身体は休まず盛り上がりました☆
 向井さんの「なんとか雨がやんで良かったですね。雷神がSUNを連れてきた」みたいなヘンテコトーク(笑)の後、怒涛の『RIFF MAN』で本編終了。
 一旦去った後、アンコールの拍手に応え再登場したメンバーから贈られた曲は、なんとなく予想はしてましたけど、アルバムで林檎氏が参加してる『CRAZY DAYS〜』。ツアーTを重ね着したスタイルの林檎氏に加え、ペットのタブさんも参加しての熱演に、場内も大いに沸きあがりました。林檎姫は、歌ってる時以外、なんか向井さんの方ばかり見詰めてる気がしました。
 そしてイベントの最後を締めくくった曲は『KIMOCHI』。半分以上ヴォーカルを林檎氏が取り、やがて曲が終わり掛けると順番に一人づづ去っていき、最後はタブさんのトランペットで終了。
 
 それぞれのバンドが演奏した曲数は、対バンのライヴとしても少ない方だったと思いますが、その分、メンバーが交流してのセッションが多く見られ、他では見られないパフォーマンスに満ちた価値あるイベントだったと思います。…てゆうか、理屈抜きでメッチャ楽しかった♪

Next INDEX Back

ホーム 調理人 冷凍都市 番号少女 出前味噌 厨房
ブログ 掲示板


Last Updated: 2024/6/14 Fri.

メールはこちらまで。