ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #66 :金沢(070822)
2007.8.22 金沢 AZホール
 
 第3期ZAZEN BOYSの初ライヴから約2ヶ月。この間、ツアーで各地を廻ったメンバーは、この日、猛暑の金沢に上陸!
 極度の金欠などにより、今回のツアーは野音以来見れてない自分にとって、唯一の遠征。その1回は、とにかくギュッとした空間で見たくて選んだ金沢でしたが、その思いが通じたか最前をゲット!そんな好ポジションで見たライヴは、も〜う最高でした♪
 
1. RIFF MAN
2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3. HARD LIQUOR
4. MABOROSHI IN MY BLOOD
5. IKASAMA LOVE
6. TANUKI
7. CHIE chan’s Landscape
8. Take Off
9. BRAIN CONSTRUCTION
10. DARUMA(新曲)
11. NABE & SADA(新曲)
12. You make me feel so bad
13. 安眠棒
14. SEKARASIKA
15. YUKATA(新曲)
16. THE CITY DREAMING(新曲)
17. I Don’t wanna be with you(新曲)
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. KIMOCHI
EN1. AMAYADORI(新曲)
EN2. 半透明少女関係
 
 今回は1曲目から『RIFF MAN』で、一気にテンションを上げてスタート。その勢いで『HIMITSU GIRL'S〜』に突入した後「早口言葉の練習をしてみましょう」と言って『HARD LIQUOR』に。ライヴを重ねたことで吉田氏とメンバーの息も、どんどん合ってきてるみたいで、そんな合体感が素敵でした。
 『IKASAMA LOVE』中盤、今まで全員で「ジャンジャンジャンジャン…」と同じカッティングを数回繰り返す部分、この日はカシオマンだけが繰り返し、それに他の3人がノッてるパターンで新鮮。
 そして、個人的にこの日最初の目玉が『CHIE chan’s〜』。終盤、ヴォーカル部分も過ぎ、もうすぐ曲が終わりそうな辺りのリフから吉兼氏のギターソロが入ったんです!この流れが凄く素敵で、ソロもメッチャ良かったし、最高でした☆
 そして次の『Take Off』。これがまたカッコいいのなんのって♪ビシビシ決まる〈キメ〉にゾクゾク来たし、向井さんがスクラッチ風にヴォーカルで遊んでるのもライヴならではで楽しかったし、とにかくカッコいいんすよ、これが!
 新曲『DARUMA』は、スピード感溢れる曲ですが、今回改めて聞くと、どこか英国のバンド・YESの楽曲を想起させるものがありました。
 インプロ的要素も含んだ『NABE & SADA』に続いて、久々に『You make me〜』が聞けたのも嬉しかったな(^o^)。アダルトなムードが、再び『安眠棒』『SEKARASIKA』で熱く揺らされた後、第2新曲ブロックへ。
 「夏といえば花火ですが、そんな風景を歌った曲です」みたいなコメントから演奏された『YUKATA』は、大きく2つのブロックに分かれていて、後半だんだん加速していくのがイイ!
 カシオマンがギターを置いてサンプラーをスイッチングする『THE CITY DREAMING』『I Don’t wanna be〜』は、改めて見ても新鮮で、デジタルなクールさとアナログな〈うねり〉を併せ持つZAZEN ならではの曲だと思いました。
 そして終盤。この日の『COLD BEAT』は、「コ〜ルビ〜ッ」のコール&レスポンスを含む終盤の楽器バトルが壮絶でした!来た来た来た〜〜って感じ☆その後の2曲も良かったけど、楽しみはまだまだ(^o^)
 アンコールに応えて、まずは新曲の『AMAYADORI』。改めて聞くと、向井さんとも交流深いバンド54‐71のサウンドに似た匂いを強く感じました。ソリッドなカッコ良さっていうのかな…。
 そして最後の『半透明〜』に、ビッグなプレゼントが。ツアー途中からやり始めたと聞きましたが、新アレンジ!なんと向井さんは、最初ギターを手にせずキーボード前に坐ったまま。そして始まった演奏は、今までとは違うノリを持った逸品へと変化していました。
 曲の感じを文字で表すのは難しいんですけど、あえて誤解を恐れず書くと、イギリスのバンド・NEW ORDERのサウンドを想起させるテイストです。…って、わかんないか…。でもね、とにかく新鮮なだけじゃなくカッコいいんだな、これが。同じ曲を味付けを変えて調理して食べさせてくれる名人シェフたちに乾杯!
 
 とにかくライヴの楽しさ満載のAZホールでしたが、もう一つ印象に残ったことを書いておきます。それは、新加入の吉田氏がどんどん馴染んで、新しいグルーヴを生んで来たことです。今回も、前面には出ず、ドラムセットの左手に陣取っていましたが、その分松下さんとアイコンタクトを取ることが多く、そこから生まれるリズム隊ならではの空気感が、バンド全体にも刺激を与えているのがわかり、今後に更に期待が膨らみました。
 
 終演後、珍しくメンバー4人が揃って出て来て、みんな明るくウチらの声に応えてくれました。向井さんなんて、去っていく車の窓から半身乗り出して手を振るオチャメぶり(笑)。
 最前エリアで一緒になった人々も暖かい人ばっかだったし、マジでメッチャ楽しい金沢の一夜でした♪♪♪
Live Report #65 :野音(070616)
2007.6.16 日比谷野外大音楽堂
 
ショッキングな〈ひなっち脱退発表〉から約4ヵ月半―――。ベースに吉田一郎氏が加わっての新体制が始動し、ついにこの日、待望のライヴが開かれました!しかも会場は野音、熱くならないはずはないっ!
 すでにワクワク感フル充電状態の身体は、野音ならではの開場前に聞こえてくるリハ音に反応して放電し、ビリビリしっぱなしでしたが、新生ZAZEN BOYSは、そんな過剰な期待を裏切らないライヴを展開してくれました。
 
1. Take Off
2. BRAIN CONSTRUCTION
3. MABOROSHI IN MY BLOOD
4. IKASAMA LOVE
5. TANUKI
6. CHIE chan’s Landscape
7. WHISKY&UNUBORE
8. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
9. HARD LIQUOR
10. YUKATA(新曲)
11. DARUMA(新曲)
12. 安眠棒
13. SEKARASIKA
14. NABE & SADA(新曲)
15. THE CITY DREAMING(新曲)
16. I Don’t wanna be with you(新曲)
17. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. RIFF MAN
EN1. AMAYADORI(新曲)
EN2. KIMOCHI
 
 まず1曲目が『Take Off』だったのが嬉しい誤算。この曲、少なくとも俺の参加したライヴでは一度も演ったことがなく、ず〜っとライヴで聞きたいって思ってたんですけど、その夢がまさかこのシチュエーションで叶うとは…。ナマで聞くと、やっぱカッケ〜☆
 それに続いて、大好きな『BRAIN CONSTRUCTION』を久々にカマされて、もうノッケからZAZEN界に飛ばされちゃいました。
 初めて見た吉田氏は、前面で煽っていたひなっちとは対照的に、後方ドラムス左手のポジションをキープしていましたが、その控え目な仕事人ぶりには好感が持てました。
 そんな彼が加わっての初ライヴで『CHIE chan’s〜』が演奏されたことも、なんか新鮮でした。向井さん、この曲へのコメントで「いずれ映画化したいと思っております」って言ってました。見てみた〜い(^o^)
 『WHISKY&UNUBORE』からの3曲で、メンバーが変わってもZAZENパワーは健在だと思い知らされた後、新曲披露の第1ブロックがやってきました。
 『YUKATA』は、〈ドンドンヒャララ的〉(笑)とでも言おうか、祭囃子を想起させるような曲。シンセ入りの『DARUMA』は、「真っ赤なダルマが廻る」というフレーズが印象的。いずれも、ライヴを重ねての熟成が楽しみな曲です。
 『安眠棒』の後、大好きな『SEKARASIKA』を経て、再び新曲コーナーです。
 向井さんがキーボードの前に腰掛けて演奏された『NABE & SADA』は、インストゥルメンタル。タイトルからもわかるようにジャズテイストで、かつての言葉を使えば〈フュージョン風〉のアレンジでした。
 次の『CITY DREAMING』で、吉兼さんはギターを置き、ハンディタイプのサンプラーを手に持ち、パーカション系のサウンドで合いの手を入れます。
 それは『I Don’t wanna be with you』でも続き、ギターを弾かずスイッチを懸命に押しているカシオマンの姿は、とても新鮮でした。
 向井さんも、ギターよりヴォーカルに専念する時間が多く、いわばリズム隊のみの編成になったようなスタイルで、ビジュアル的にもバンドの新しい方向を見たような気がしました。
 シンセ入りの新アレンジが加わった『CRAZY DAYS〜』から、終盤おなじみの3曲へと続き、大いに盛り上がって本編は終了。
 
 大声援に応えて再登場したメンバーから放たれた曲は、『AMAYADORI』。アコエレでは披露されたことのある曲ですが、もちろんバンドサウンドだから別物。この曲でも、カシオはサンプラー担当で、向井さんもギターなしでヴォーカルに専念。
 そして、最後は『KIMOCHI』。新しいバンドの熱い〈KIMOCHI〉は、十二分に伝わってきました♪
 
 終演後、出てきたメンバーは、それぞれに嬉しそうな表情で「お疲れ様!」に応えてくれました。
敦さんは、もうすっごくいい笑顔だったし、吉田さんはメッチャ腰が低く「ありがとうございます!頑張ります」みたいに言ってくれました。カシオマンは、サンプラーのことを聞くと「緊張するんですよ〜」だって(笑)。最後に車で退場の向井さんも、久しぶりに満面の笑顔でウチらに手を振って応えてくれました。
 そんな嬉しく楽しいお見送りも含め、マジで最高の一夜だったです☆☆☆
Live Report #m-16 :nest(070503)
2007.5.3 渋谷 O-nest
 
 バンドとしては、新しいベーシストも決まり、再始動に向けて〈ひねり上がり中〉の向井さんですが、それと平行してソロ活動も旺盛にこなしていますよね。
 今年、俺としては2回目となるアコエレライヴは、作家の古川日出男氏とのコラボイベント。こういう企画自体、あんま見たことなかったので、とってもワクワクしながら会場に向いました。
 イベントは、以下のような3部構成になっていましたが、狭いフロアは最初から超満員でした。
 
《第1部》 古川日出男氏の朗読ライヴ
《第2部》 向井秀徳アコースティック&エレクトリック
 1. NEKO ODORI
 2. Delayed Brain
 3. KU〜KI
 4. CITY
 5. AMAYADORI
 6. The Days Of NEKOMACHI
 7. 性的少女
 8. WATER FRONT
       ===休憩===
《第3部》 古川日出男+向井秀徳
 1. TUESDAY GIRL
 2. 6本の狂ったハガネの振動
 3. USODARAKE
 4. ベルガ、吠えないのか?
 
 朗読というよりは、小説を使ったパフォーマンスといった感じのユニークな古川ライヴに続いて、向井さんは渋〜い大人の空気で登場。―――この日は、アコエレといっても全て〈エレ〉でした。
 1曲目にやるのは珍しい『NEKO ODORI』は、やっぱジ〜ンと来ます。どんどん馴染んで来た『CITY』に続いて新曲『AMAYADORI』が披露(少なくとも俺は初めて)されました。リズムボックスを片手に、それを駆使しながらのラップ調のソリッドな曲でしたが、すっごくカッコ良かったです!ほんと向井さんって、引き出し多いよなあ♪
 『The Days Of NEKOMACHI』は、後半の弾き狂い方がハンパなくて、マジでゾクゾクしました。
 
 休憩をはさんでの《第3部》は、古川氏と向井さんのコラボ…ってゆうか、まさに対決って感じのステージ。
 『TUESDAY GIRL』、『6本の〜』、『USODARAKE』の3つは、それぞれ、まず古川氏が向井さんの歌詞を引用しながらも独自の解釈で世界を拡げた文章を、朗読的パフォーマンスで聴かせ、それに続いて向井さんが弾き語るという構成でした。
 個人的には、たぶんソロでは初かもしれない『USODARAKE』に撃たれました。
 そして最後は、古川氏が自作『ベルガ、吠えないのか?』の一部を読み狂い、それに向井さんが伴奏を付けるという、なんとも奇妙かつスリリングなステージ。とっても不思議なパフォーマンスとなっていて、まさにライヴならではのご馳走を味わった気分でしたよ〜(^o^)
日向秀和氏脱退
 
 昨日、向井さんの公式サイトにおいて【日向秀和脱退のお知らせ】というショッキングな発表がありました。
 そのコメントは、「このたびベース日向秀和はZAZEN BOYSを脱退いたしました。これは、前向きな話し合いの結果によるものです。ZAZEN BOYSはあらたな活動に向けビリビリと準備中でございます。」というものでした。
 
 日向氏=ひなっちは、ZAZEN BOYS結成時からのメンバーで、骨太のベースでリズムを引っ張るのみならず、サービス精神旺盛なショーマンシップでライヴの盛り上げ役としての存在感も大きかっただけに、脱退の発表には本当に驚きました。
 ひなっち自身、結成当初のインタビューで「向井さんは、NUMBER GIRLの頃から憧れていたんで、そんな人とバンドが出来るなんて嬉しい」という内容のコメントをしていたし、その後の活動でも、ZAZEN BOYSの音楽世界の構築に大きな役割を担ってきたわけで、少し古風な表現ですが、まさに「青天の霹靂」でした。
 
 本人からの直接コメントはありませんが、向井さんの日記によると、「いくつかのバンドを並行して活動している彼のスケジュールあわせに限界があり、一緒にやるのは現実的にむずかしい」のが主な理由で「ZAZEN BOYSを辞めてくれい、という話をし」、そして話し合った末に「離れて、それぞれ発展していきましょう、という話になった」とのことでした。
 
 たしかに、ひなっちはストレイテナーでも大活躍しており、同時に父親でもあります。ZAZENとテナーの活動が活発になればなるほど、ひなっち個人の時間は減っていくのは当然で、どんなにタフな人間でも疲れないはずはないでしょう。
 クリエイターにとって、極度の疲労は想像力=創造力を低下させることは言うまでもなく、そんな状況下で、より集中して音楽に取り組む環境を整えるために、向井さんの申し出に応じ、脱退を決意したのでしょう。
 
 ひなっちの野生的かつ繊細なベースと、明るくオチャメな人柄が俺は大好きです。そんな彼がZAZEN BOYSからいなくなるのはマジで淋しい。
 でも、向井さんも、日記の中で「彼のベーシストとしての才能は素晴らしいものがあり、共に演奏できんのは残念である。(中略)また、ZAZENではない形でもなんでも、また一緒に演奏できればイイ、ということも話して終わった」と書いています。
 そんな向井さんと「前向きな話し合い」をした結果、ひなっちが決めたことですから、俺は、その決断を前向きに受け止め、心からエールを送ろうと思います。
 
 ひなっち、今までどうもありがとう!お疲れ様でした!そして、これからも頑張ってください!!
                (2007/02/08)
 
Live Report #m-15 :nest(070123)
2007.1.23 渋谷 O-nest
 
 新年を迎えた向井さんのライヴ活動は、前年より少し遅いスタートとなりましたが、関東地区では本年最初となるライヴの会場はNest。
 このハコって、ステージ前の「柵」がない密接度の高い空間で大好きなんですけど、記憶に間違いがなければ、向井さんがソロでここに立つの初めてじゃないかな…。
 そんな場所でのイベントは、BEYONDSの谷口さんの企画で、トップバッターは浅野忠信氏。続いて谷口氏。いずれも個性的で密度の濃いライヴが展開された後、向井さんは最後の登場となりました。
 
1. 感覚的にNG
2. Delayed Brain
3. CITY
4. 自問自答
5. The Days Of NEKOMACHI
6. KU〜KI
7. 性的少女
8. WATER FRONT
 
 まずはアコースティックでスタート。ライヴの1曲目が『感覚的にNG』というのも珍しいですが、この曲の持つ物憂い雰囲気が、向井さん独自の世界にフロアを誘ってくれました。
 次の『Delayed Brain』では、あなじみ「個人的に盛り上がってまいりました」がありましたが、年始とあってか、この日の向井さんからは並々ならぬ気合が感じられ、まさに「冷静、だがなにかを燃やし続けている」空気が感じられました。
 金子マリさんに提供した『CITY』は、前回の初披露からの熟成が感じられ、なんかオトナの匂いがしました。
 久々にじっくりと『自問自答』に耳を傾けた後、後半の4曲はエレクトリックに。エフェクターを巧みに活用し、ディレイやダブを効果的に取り入れたアコエレならではの演奏が続きます。毎度のことながら、1本のギターでこれだけ厚みのある音世界を構築する力量には脱帽です。
 この日の後半には、今までにないアレンジやダブワークが多用されており、とても新鮮だったし、また、エフェクターにバックを任せてリードを弾く部分が多く、「ギタリスト向井を見た!」って感じで素敵なライヴでした♪

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Last Updated: 2024/4/13 Sat.

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