ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #69 :LIQUID(070919)
2007.9.19 恵比寿 LIQUID ROOM
 
 この日、ZAZEN BOYSはリキッドルームの3周年(恵比寿として)記念イベントに参加しました。対バンは、DJ KRUSH、THA BLUE HERBという異色の組み合わせ。
 野音から一転、年齢層は若返ったようでしたが、こういう顔触れですから、当然ZAZENのライヴは初めてという人達もいるはず。そんな中、座禅組の出番は一番目でした。
 
1. KIMOCHI
2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3. HARD LIQUOR
4. DARUMA
5. NABE & SADA
6. THE CITY DREAMING
7. I Don’t wanna be with you
8. COLD BEAT
9. FRIDAY NIGHT
10. RIFF MAN
 
 ライヴは、意表をついて『KIMOCHI』からスタート。この曲から始まるライヴって、すっごく珍しいと思います。なんとなくフロアの温度を確かめてる感じもしましたが、同時に、ゆっくりと高まっていく4匹の音獣の殺気を殺したしたたかな助走のようにも思えました。
 続く2曲は、ザクザクとフロアを切り裂いていきましたが、俺が更なる殺気を感じたのは、むしろその後=新曲4連発でした。
 この日の対バンからしても、どこかフロアは〈クラブな空気〉が漂っていました。そんな空気に、新曲群は実にぴったりフィットし、現場に居た者にしか味わえないグルーヴを生み出していたんです!
 向井さんは『DARUMA』で、指を上に揚げてブレイクを指示していましたが、その姿は変拍子のこの曲で遊んでいるようで、「まさに音楽版アダルトゲームだっ!」ってゾクゾクしました。
 『THE CITY DREAMING』『I Don’t wanna be with you』では、ベースの持つ力を実感。てか、このベースライン、マジカッコいいっすよ♪そして、色っぽいんだなあ。妖艶なベースなんですよ、うん。素敵(^o^)
 この2曲では、同時にカシオサンプラーのキーボードフレーズと向井さんの生シンセの絡み合いが聴き所でもあります。
 終盤の『COLD BEAT』では、おなじみコール&レスポンスも、いつもより客層のせいか声が小さかったんですけど、それに対して向井さんが「なかなかうまい」とコメントするなど空気を読む大人の余裕が感じられ素敵でした。
 そして、スタート時に感じた静かな殺気は、最後の2曲で炸裂しました。そう、まさに炸裂!とにかく物凄いパワーで音の塊が突き刺さって来るんです!この日フロアに来ているZAZENライヴ初体験の人達に「見ろ〜〜、聞け〜〜、これがZAZEN BOYSだ〜〜っ!」って言ってるみたいな、凄まじい勢いの演奏でした♪
 
 この日は、向井さん自身が尊敬しているというTHA BLUE HERBとの初競演でもあり、そういう意味での意気込みもあったのかもしれませんが、それはともかく、〈クラブな空気〉を呑み込んで我が物にしつつ、同時に切り裂くという二面性を楽しめた最高のライヴでした☆☆
Live Report #68 :野音(070916)
2007.9.16 日比谷野外大音楽堂
 
 まだまだ残暑の厳しい中、第3期ZAZEN BOYSが産声を上げた野音に、メンバーが再び帰ってきました。
 対バンが「クレイジーケンバンド」というスペースシャワーTV主催のイベント“Double Punch”です。この珍しい組み合わせ、どんな客層かと見渡すと、なんかいつもより年齢層高そう。そして、たぶん集まった人達の6割ぐらいが「ケンバンド」がお目当てだったんじゃないかな…。(だって、ZAZENの時、半数近くが坐ったままだったもん)
 そんなちょいアウェイな状況下、ZAZEN BOYSは最初に登場し、日比谷の森に音を轟かせていきました。
 
1. HARD LIQUOR
2. Take Off
3. DARUMA(新曲)
4. NABE & SADA(新曲)
5. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
6. You make me feel so bad
7. THE CITY DREAMING(新曲)
8. I Don’t wanna be with you(新曲)
9. COLD BEAT
10. FRIDAY NIGHT
11. RIFF MAN
 
 客層を予想してのことかはわかりませんが、セットリストは「大人っぽい感じ」って言えるんじゃないかな…。そして、そのことは、開放的な空間で「押されずにゆっくり」ライヴを楽しむには最適だったと思いました。
 特に新曲たちは、そのカッコ良さを再認識させられたし、同時に、ビール片手に揺られながら異次元のクラブにトリップしたような感覚に包まれ、なんかと〜ってもキモチかったっす☆
 うまく言えないけど、なんだか改めてZAZEN BOYSが好きな自分を発見したような、「いつでもどこでもZAZEN BOYS」みたいな(笑)ライヴでした♪
Live Report #67 :AX(070830)
2007.8.30 SHIBUYA−AX
 
 新生メンバーによる初のツアーも、この日の渋谷でファイナルを迎えました。横幅の広いステージでも、変わらず中央にギュッと固まった4人は、夏の終わりの夜を熱く盛り上げてくれました。
 
1. RIFF MAN
2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3. HARD LIQUOR
4. MABOROSHI IN MY BLOOD
5. IKASAMA LOVE
6. TANUKI
7. CHIE chan’s Landscape
8. Take Off
9. BRAIN CONSTRUCTION
10. DARUMA(新曲)
11. NABE & SADA(新曲)
12. You make me feel so bad
13. 安眠棒
14. SEKARASIKA
15. YUKATA(新曲)
16. THE CITY DREAMING(新曲)
17. I Don’t wanna be with you(新曲)
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. KIMOCHI
EN1. AMAYADORI(新曲)
EN2. 半透明少女関係
 
 セットリストは、前回見た金沢と同じでしたが、ファイナルだし、でっかいキャパのフロアから発する熱との相乗効果もあって、ライヴは気持ちのいい温度で進行していきました。
 今回は、新曲を中心にコメントしてみようと思います。まずは『DARUMA』。早口で発せられる呪文のようなヴォーカルと、変調子を組み合わせた旋律が絡まって、独特の疾走感を生み出している曲です。この先、ライヴでのいろんな展開が期待されます。
 ミディアムテンポのインスト曲『NABE & SADA』は、後半にカシオマンのリードギターをフィーチャーした部分があり、じっくり聴かせてくれます。今後、インプロ的に崩して遊んでくれたら楽しいだろうなあって思います。
 聞き取れる範囲の歌詞では、浴衣姿の夏少女の情景を描いている『YUKATA』は、個人的には『性的少女』(NUMBER GIRL)の姉妹編だな〜って思いましたが、これまた今後いろいろアレンジが変わりそうな予感があり楽しみです。
 吉兼さんがパーカッション系のサンプル音をスイッチングする『THE CITY DREAMING』は、今回の新曲群の中では、もっともデジタルな曲ですが、ちっとも乾いていないのがZAZENらしくて好きです。
 一夜限りのラヴアフェアを終えた朝の気まずい空気を歌った『I Don’t wanna be with you』は、3枚目のアルバムが持つ〈夜の味〉を引き継いだ曲に思います。こういうZAZEN BOYS風クラブサウンドも、俺は大好きですね。
 そして『AMAYADORI』。バンドサウンドなのに、弾き語りを聞いているような感覚に囚われる曲です。うまく言えないけど、じわ〜っと沁みてくる感じの曲です。
 
 アンコールに応えて再登場した向井さんは、ファイナルだけに長目のコメントをしましたが、その中で、アメリカでのレコーディングを企画していること、早ければ10月ぐらいから国内外はともかく録音作業に入る可能性があることが語られました。
 今回のツアーで披露された新曲に関しては、ファンの反応にも賛否両論あるみたいですが、俺は好きです!そして、早く音源で聴いてみたいです!楽しみだ〜☆
Live Report #66 :金沢(070822)
2007.8.22 金沢 AZホール
 
 第3期ZAZEN BOYSの初ライヴから約2ヶ月。この間、ツアーで各地を廻ったメンバーは、この日、猛暑の金沢に上陸!
 極度の金欠などにより、今回のツアーは野音以来見れてない自分にとって、唯一の遠征。その1回は、とにかくギュッとした空間で見たくて選んだ金沢でしたが、その思いが通じたか最前をゲット!そんな好ポジションで見たライヴは、も〜う最高でした♪
 
1. RIFF MAN
2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
3. HARD LIQUOR
4. MABOROSHI IN MY BLOOD
5. IKASAMA LOVE
6. TANUKI
7. CHIE chan’s Landscape
8. Take Off
9. BRAIN CONSTRUCTION
10. DARUMA(新曲)
11. NABE & SADA(新曲)
12. You make me feel so bad
13. 安眠棒
14. SEKARASIKA
15. YUKATA(新曲)
16. THE CITY DREAMING(新曲)
17. I Don’t wanna be with you(新曲)
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. KIMOCHI
EN1. AMAYADORI(新曲)
EN2. 半透明少女関係
 
 今回は1曲目から『RIFF MAN』で、一気にテンションを上げてスタート。その勢いで『HIMITSU GIRL'S〜』に突入した後「早口言葉の練習をしてみましょう」と言って『HARD LIQUOR』に。ライヴを重ねたことで吉田氏とメンバーの息も、どんどん合ってきてるみたいで、そんな合体感が素敵でした。
 『IKASAMA LOVE』中盤、今まで全員で「ジャンジャンジャンジャン…」と同じカッティングを数回繰り返す部分、この日はカシオマンだけが繰り返し、それに他の3人がノッてるパターンで新鮮。
 そして、個人的にこの日最初の目玉が『CHIE chan’s〜』。終盤、ヴォーカル部分も過ぎ、もうすぐ曲が終わりそうな辺りのリフから吉兼氏のギターソロが入ったんです!この流れが凄く素敵で、ソロもメッチャ良かったし、最高でした☆
 そして次の『Take Off』。これがまたカッコいいのなんのって♪ビシビシ決まる〈キメ〉にゾクゾク来たし、向井さんがスクラッチ風にヴォーカルで遊んでるのもライヴならではで楽しかったし、とにかくカッコいいんすよ、これが!
 新曲『DARUMA』は、スピード感溢れる曲ですが、今回改めて聞くと、どこか英国のバンド・YESの楽曲を想起させるものがありました。
 インプロ的要素も含んだ『NABE & SADA』に続いて、久々に『You make me〜』が聞けたのも嬉しかったな(^o^)。アダルトなムードが、再び『安眠棒』『SEKARASIKA』で熱く揺らされた後、第2新曲ブロックへ。
 「夏といえば花火ですが、そんな風景を歌った曲です」みたいなコメントから演奏された『YUKATA』は、大きく2つのブロックに分かれていて、後半だんだん加速していくのがイイ!
 カシオマンがギターを置いてサンプラーをスイッチングする『THE CITY DREAMING』『I Don’t wanna be〜』は、改めて見ても新鮮で、デジタルなクールさとアナログな〈うねり〉を併せ持つZAZEN ならではの曲だと思いました。
 そして終盤。この日の『COLD BEAT』は、「コ〜ルビ〜ッ」のコール&レスポンスを含む終盤の楽器バトルが壮絶でした!来た来た来た〜〜って感じ☆その後の2曲も良かったけど、楽しみはまだまだ(^o^)
 アンコールに応えて、まずは新曲の『AMAYADORI』。改めて聞くと、向井さんとも交流深いバンド54‐71のサウンドに似た匂いを強く感じました。ソリッドなカッコ良さっていうのかな…。
 そして最後の『半透明〜』に、ビッグなプレゼントが。ツアー途中からやり始めたと聞きましたが、新アレンジ!なんと向井さんは、最初ギターを手にせずキーボード前に坐ったまま。そして始まった演奏は、今までとは違うノリを持った逸品へと変化していました。
 曲の感じを文字で表すのは難しいんですけど、あえて誤解を恐れず書くと、イギリスのバンド・NEW ORDERのサウンドを想起させるテイストです。…って、わかんないか…。でもね、とにかく新鮮なだけじゃなくカッコいいんだな、これが。同じ曲を味付けを変えて調理して食べさせてくれる名人シェフたちに乾杯!
 
 とにかくライヴの楽しさ満載のAZホールでしたが、もう一つ印象に残ったことを書いておきます。それは、新加入の吉田氏がどんどん馴染んで、新しいグルーヴを生んで来たことです。今回も、前面には出ず、ドラムセットの左手に陣取っていましたが、その分松下さんとアイコンタクトを取ることが多く、そこから生まれるリズム隊ならではの空気感が、バンド全体にも刺激を与えているのがわかり、今後に更に期待が膨らみました。
 
 終演後、珍しくメンバー4人が揃って出て来て、みんな明るくウチらの声に応えてくれました。向井さんなんて、去っていく車の窓から半身乗り出して手を振るオチャメぶり(笑)。
 最前エリアで一緒になった人々も暖かい人ばっかだったし、マジでメッチャ楽しい金沢の一夜でした♪♪♪
Live Report #65 :野音(070616)
2007.6.16 日比谷野外大音楽堂
 
ショッキングな〈ひなっち脱退発表〉から約4ヵ月半―――。ベースに吉田一郎氏が加わっての新体制が始動し、ついにこの日、待望のライヴが開かれました!しかも会場は野音、熱くならないはずはないっ!
 すでにワクワク感フル充電状態の身体は、野音ならではの開場前に聞こえてくるリハ音に反応して放電し、ビリビリしっぱなしでしたが、新生ZAZEN BOYSは、そんな過剰な期待を裏切らないライヴを展開してくれました。
 
1. Take Off
2. BRAIN CONSTRUCTION
3. MABOROSHI IN MY BLOOD
4. IKASAMA LOVE
5. TANUKI
6. CHIE chan’s Landscape
7. WHISKY&UNUBORE
8. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
9. HARD LIQUOR
10. YUKATA(新曲)
11. DARUMA(新曲)
12. 安眠棒
13. SEKARASIKA
14. NABE & SADA(新曲)
15. THE CITY DREAMING(新曲)
16. I Don’t wanna be with you(新曲)
17. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
18. COLD BEAT
19. FRIDAY NIGHT
20. RIFF MAN
EN1. AMAYADORI(新曲)
EN2. KIMOCHI
 
 まず1曲目が『Take Off』だったのが嬉しい誤算。この曲、少なくとも俺の参加したライヴでは一度も演ったことがなく、ず〜っとライヴで聞きたいって思ってたんですけど、その夢がまさかこのシチュエーションで叶うとは…。ナマで聞くと、やっぱカッケ〜☆
 それに続いて、大好きな『BRAIN CONSTRUCTION』を久々にカマされて、もうノッケからZAZEN界に飛ばされちゃいました。
 初めて見た吉田氏は、前面で煽っていたひなっちとは対照的に、後方ドラムス左手のポジションをキープしていましたが、その控え目な仕事人ぶりには好感が持てました。
 そんな彼が加わっての初ライヴで『CHIE chan’s〜』が演奏されたことも、なんか新鮮でした。向井さん、この曲へのコメントで「いずれ映画化したいと思っております」って言ってました。見てみた〜い(^o^)
 『WHISKY&UNUBORE』からの3曲で、メンバーが変わってもZAZENパワーは健在だと思い知らされた後、新曲披露の第1ブロックがやってきました。
 『YUKATA』は、〈ドンドンヒャララ的〉(笑)とでも言おうか、祭囃子を想起させるような曲。シンセ入りの『DARUMA』は、「真っ赤なダルマが廻る」というフレーズが印象的。いずれも、ライヴを重ねての熟成が楽しみな曲です。
 『安眠棒』の後、大好きな『SEKARASIKA』を経て、再び新曲コーナーです。
 向井さんがキーボードの前に腰掛けて演奏された『NABE & SADA』は、インストゥルメンタル。タイトルからもわかるようにジャズテイストで、かつての言葉を使えば〈フュージョン風〉のアレンジでした。
 次の『CITY DREAMING』で、吉兼さんはギターを置き、ハンディタイプのサンプラーを手に持ち、パーカション系のサウンドで合いの手を入れます。
 それは『I Don’t wanna be with you』でも続き、ギターを弾かずスイッチを懸命に押しているカシオマンの姿は、とても新鮮でした。
 向井さんも、ギターよりヴォーカルに専念する時間が多く、いわばリズム隊のみの編成になったようなスタイルで、ビジュアル的にもバンドの新しい方向を見たような気がしました。
 シンセ入りの新アレンジが加わった『CRAZY DAYS〜』から、終盤おなじみの3曲へと続き、大いに盛り上がって本編は終了。
 
 大声援に応えて再登場したメンバーから放たれた曲は、『AMAYADORI』。アコエレでは披露されたことのある曲ですが、もちろんバンドサウンドだから別物。この曲でも、カシオはサンプラー担当で、向井さんもギターなしでヴォーカルに専念。
 そして、最後は『KIMOCHI』。新しいバンドの熱い〈KIMOCHI〉は、十二分に伝わってきました♪
 
 終演後、出てきたメンバーは、それぞれに嬉しそうな表情で「お疲れ様!」に応えてくれました。
敦さんは、もうすっごくいい笑顔だったし、吉田さんはメッチャ腰が低く「ありがとうございます!頑張ります」みたいに言ってくれました。カシオマンは、サンプラーのことを聞くと「緊張するんですよ〜」だって(笑)。最後に車で退場の向井さんも、久しぶりに満面の笑顔でウチらに手を振って応えてくれました。
 そんな嬉しく楽しいお見送りも含め、マジで最高の一夜だったです☆☆☆

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Last Updated: 2024/2/29 Thu.

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