いよいよ新しいアルバムの発売が近付いてきましたが、そんな中、My Spaceさんの招待で、一般発売に先駆けてなんと全曲を視聴することが出来たんです!しかも爆音で。
完全招待制のイベント“先行試聴&レヴュー会”が、8/31夜、都内某所で行われ、そこに集まった約50名は、特別にセットされた4個のスピーカーから鳴り響く『ZAZEN BOYS 4』を聴く幸運に恵まれたのです。
イベントは、まずマネージャー森氏が挨拶し、次にMy Spaceのスタッフさん、そしてなんと吉田一郎氏が登場し、「ここで一緒に聞かせてもらいます」とコメント。
そして5分後。待望の新作が全貌を現しました。
1. Asobi
もっとも早くPVなどで披露され、既にライヴで何度も演奏されてる曲ですが、やはりデイヴの手を経てCD化された音源は、全然違って聞こえました。
まずは、楽器それぞれの音が冴え渡っている。そして打ち込みサウンドが粒立っている。そして、ベースラインが部分的に大きくなるなどミックスダウン処理がハンパなくカッコいい。ノッケからこれだもん。このアルバムが凄そうな予感しまくりの皮切りです。
2. Honnoji
ライヴでもゾクゾクする曲ですが、音源では、その凄さが増幅されてます。第1ブロックのフロアタムが際立ち、その音は、まるで戦国時代の馬の足音と銃声のよう。そこにシンバルが炸裂するので、まさに本能寺。
第2ブロックでは、ベースを中心に全体がうなりあがっており、第3ブロックでは、向井さんのファンキーなカッティングとシンバルが冴え、第4ブロックでのスネアが比重を増していくところなど聴きどころ満載です。
3. Weekend
プリンスっぽいブラックさが増幅され、いっぱい凝ったところがあるのに、それを感じさせないほどサラっと仕上がってるのがニクいところ。
カシオマンの変態ギター(笑)が、かなりフィーチャーされた録音になってます。
4. Idiot Funk
直訳すれば「馬鹿ファンク」というようなタイトルの曲ですが、もちろん音的にはいい意味での馬鹿でした。
曲はまずベースだけ。「ド、ド、ド、ド、ドン」みたいなベースラインが続いてからバスドラムが加わり、独特の変拍子を刻んでから短いブレイクを挟んでシンセとサンプリングされたハンドクラップが加わり、向井念仏が入ってきます。
その間に、ファンタスティックなシンセのフレーズとカシオギターが絡むカッコいい曲。
5. Memories
タイトルから、なんとなくバラード系かしらと思わせますが、さにあらず!歪んだ感じのギターとベースが引っ張るファンキーな曲です。
日本語歌詞の部分は、ラップ系の念仏ではなく、崩した感じのメロディーがあり、中盤のギターフレーズに、例えば英国ロックバンド・YESなどに通ずるようなコード進行があって、今までにありそうでない曲。
6. Fureai
お祭っぽいドンドンヒャララ感(笑)のある、あえて分類するなら『DARUMA』系の曲で、ZAZEN BOYSならではの変拍子やブレイクが満載なのに、それを何事もなかったかのように演奏してるので、そのカッコ良さに声も出ないです。
途中、歌詞をまったく楽器の入らない状態で喋りブレイクするなど、細かい工夫もあり、マジで最高っす!
聴いてると、脳内と身体が音楽という性器で掻き回されてるような感覚になりました。
7. Taratine
ベースとドラムスを効かせた「ダダダダッ」というフレーズから始まる曲で、あえて分類するなよって怒られるかもだけど『METAL FICTION』系の曲。
向井さんの「ハッ!」などの掛け声も多く、MATSURI STUDIOのフリーセッションから生まれたような気がする〈音の鳴り〉の曲で、歌詞の部分は無伴奏です。
全体として、こっちがノリに身を委ねようとするとハズされ、なんかじらされてるような感覚に陥る曲です。
8. The Drifting / I Don’t Wanna Be With You
ライヴで時々やる〈超ロングヴァージョン〉の後半部分を、さらに発展熟成させた曲です。曲自体の基本部分は変わりませんが、導入部に新たな歌詞を付け加えたり、元々ある歌詞の部分でも、よりトゲトゲしく歌ってるヴォーカルにディレイが掛かって、なんか鬼気迫るものがあります。
終盤は、ベースラインが強調され、その中をキーボードが駆け回ってる感じで、曲全体として次の砂漠に辿り着く道のような気がしました。
9. Sabaku
向井さんが雑誌のインタビューで「この曲、Sabakuをアルバムタイトルにしようかなと、ちょっと思ったりもした」(『ROCKIN’ON JAPAN』9月号)と言っていますが、たしかに今までにないタイプの曲で、「アルバムを象徴するような曲」(同)だと思います。
美しい旋律のキーボードで始まり、打ち込みのドラムが入ってから次第に生ドラムが絡む展開。そして最初の歌詞部分からメロディに乗って歌ってます。
メロディのある部分に挟まれた歌詞は、向井念仏ではありますが、単なるラップ的な念仏ではなく、どこかメロディが混じっている感じのもので、それがなんとも言えない快感。
終盤は、同じメロディのヴォーカルが繰り返される中に、楽器たちが絡み合って揺れ、最後に楽器ナシのセリフで終わります。
以上、文字で音楽を表現する困難は承知ながら、俺なりに頑張って書いてみました。でも、もちろん聴かなきゃです。てか、買え!聴け!
とにかく「ヤバ過ぎる」なんて言ってる場合じゃないほど凄いアルバムです!これ聴きながら道歩いたら、中毒症状が重すぎて事故に遭いそうなくらい凄いっ☆☆☆
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