ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #109 :渋公(CC)(090910)
2009.9.10 渋谷公会堂(現CCレモンホール)
 
 企画が発表された時から気になっていた“マツリセッション独演会”―――。ZAZEN BOYS初のホール・ライヴで、ウェブやチラシでもわざわざ「オールシッティング」と告知されていましたが、配られた〈本日の演目〉なる紙にも「本公演はオールシッティング・ライブとなっております。心の高ぶりを抑えきれず思わず立ち上がってしまう方もいらっしゃるでしょうが、今日ばかりは座ってお楽しみ下さい。」と書かれていて、さらに開演前にも同文でのアナウンスがありました。
 そこまで言われちゃあ、立つわけにいかねぇじゃねぇか(笑)。あっしも他のお客さんも大人しく椅子に座って「独演会」の開始を待っていやしたが、なんか不思議な感覚ですな、どうも。出囃子でも始まるかな…と思ったけど、本ベルが鳴って暗転し、マーキームーン。そして登場!
 
 1. MATSURI SESSION
 2. COLD BEAT
 3. RIFF MAN
 4. Honnoji
 5. Weekend
 6. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 7. DARUMA
 8. 開戦前夜
 9. Water Front
 10. I Don’t Wanna Be With You
 11. Sabaku
 12. The City Dreaming
 13. Asobi vs 落語『らくだ』(by 立川志らく)
 EN. 安眠棒(口楽器ver.)
 
 まずは先日に続いて『MATSURI SESSION』からのスタート!向井さんは、メンバーに「居住空間」とか「そこそこの」とか例の暗号指令を出し、即興演奏が始まりました♪バンマス向井の結んだ拳や開いた掌に応じて変幻自在に音を紡ぐメンバーたち。MATURI STUDIOにて繰り返されているだろうSESSIONの成果を十二分に見せ付けた最高のインプロは、やがて2本のギターが競演する感じになって、そこから『COLD BEAT』へ流れ込みます。もうカッコいいのなんのって!
 中盤のブレイクを繰り返すインプロで、向井さんは人差し指1本で楽器を指定して1音だけ鳴らさせたり、アンプの上にある缶ビールに手を伸ばそうとして引っ込めるパフォーマンスをしたり、遊び感覚をたっぷり披露(^o^)。
 続いて『RIFF MAN』だもん、座っていても縦揺れしちゃ〜う(笑)。その中盤、いつもはブレイクで「耳から、鼻から、口から、臍から…」と言ってるところ、この日は「耳から」だけだったのが珍しかったですな。
 『HIMITSU GIRL'S〜』が終って、ようやくいわゆるMC。「MATURI STUDIOからMATSURI SESSIONを絞り切ってやって参りました」と軽く笑いを取り、「本日は、開演時間が少し早いので、サボった方もいらっしゃいますですかね」とか「初めてオールシッティングというのをやってみましたが、皆さん律儀に座ってらっしゃいますね」とか言いつつも、なんか嬉しそうな向井さん。その後、毎回ながら物凄い『DARUMA』を座って聞くと、なんだか超贅沢な気分っすね♪
 そして8曲目―――。超々久しぶりぶりな『開戦前夜』が、いつになく歪んだ不協和音のベース&ギターで始まりました!その後も、歪んだ感じの音色が多く登場。中盤はベースが牽引して、それをギターで壊すように展開し、その後なんとカシオマンがサンプラーで参加。アルトサックス的音色のシンセフレーズがサンプリングされていて、それを取り混ぜてスイッチングする吉兼氏は、まさに指ブラス奏者!素敵〜〜♪その後、カシオギターと敦ドラムスの競演があってから短めのドラムソロ。終盤、向井さんは拳や掌で指揮をしてインプロを構成してましたが、そこに「小指で差したら弱い音」っていうのがあって楽しいかったな〜(^o^)。最終盤、全員それぞれの「チャルメラ」を合奏してエンディングへ。久々だっただけじゃなく、実験精神も遊び心も満載で最高の『開戦前夜』でした☆☆
 次は一転して夜の雰囲気。エレピ系音色のキーボードが導いて『Water Front』が始まりました。ドラムスが、いつも以上にタイトに響き、カシオマンーがサンタナのように〈泣きのギター〉を奏で、空間を妖しく染めていきました。
 4枚目の『The Drifting/〜』にほぼ近い形の『I Don’t Wanna〜』から『Sabaku』へつなぐ流れは、ホールライヴ向きなのか「聴かせる感じ」がしました。
 そして、嬉しいことに連続体験できた『The City Dreaming』。中盤、聡さんのサンプラーが刻むカウベルに向井さんのシンセが重なっていき、ドラムス→キーボード→ベースと加わってくあたり鳥肌モン!ゾクゾクするしマジ♪
 サラッと流れ込んだ『Asobi』は、カシオマンがペットマラカスを振り、シンセ音がツマミ操作で歪んでいく部分の途中から白い紗幕が下りてきて、メンバーがシルエットになりました。その左手から向井さんが出たり入ったりの悪戯してから前方に出て、「めくり」を「ザゼンボーイズ」から「立川志らく」へと変えました。すると下手から黒子が赤い毛氈敷きの高座を引き出して中央に据え、続いて志らく師匠がペットマラカスを振って登場。
 向井さん絶賛の『らくだ』は、キャラクターの身振りや動きを中心にオリジナリティー溢れる熱演で、会場からも大きな笑いが起きていました。(マクラで、向井さんのことを「あの人はキチガイです」と愛情を籠めて言ってたことも印象的でした!)
 師匠の落語が終わり、再び紗幕が上がると、限定Tシャツに着替えたメンバーが現れ、再び『Asobi』の後半を演奏して本編終了!
 盛大な拍手に迎えられて戻ってきた4人は、ハプニングで振替公演となった郡山でやってくれた〈口楽器ver.〉での『安眠棒』をなんと再び披露してくれました!そして、メンバー紹介の最後に限定Tシャツに着替えた志らく師匠が呼び出され、5人は割れんばかりに続く拍手の中去って行きました。
 
 生まれて初めて着席した状態で見たZAZEN BOYSのライヴでしたが、それを意識した選曲だったと思うし、もちろん座っていても身体の中は電気ビリビリ走りまくりだったけど、動きが制限されてる分、逆に演奏に集中できた気もして、改めてZAZEN BOYSの曲が持つ凄さを再確認できました!…つ〜か、つ〜かさ、やっぱ最高っす♪ハンパないっす!
 志らく師匠も最高だったし、超久々の曲や、新しい実験も満載だったし、マジですんごく素敵な「独演会」でした☆☆☆
 
Live Report #108 :LIQUID(090831)
2009.8.31 恵比寿 LIQUID ROOM
 
 衆院選の結果が確定し、歴史的な政権交代が決定的となった日―――。その夜、恵比寿でもZAZEN BOYSの歴史に残るだろう画期的なライヴがありました!
 “LIQUIDROOM 5th ANNIVERSARY”と題されたイベントへの参加で、対バンは凛として時雨。ざっと見渡したところ時雨ファンの方も多く目立つフロアに、最初に切り込んで来たのはZAZEN BOYSでした。
 
 1. MATSURI SESSION
 2. COLD BEAT
 3. RIFF MAN
 4. I Don’t Wanna Be With You
 5. Honnoji
 6. Weekend
 7. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 8. DARUMA
 9. The City Dreaming
10. Asobi
 
 最強の4人から最初に打ち込まれた曲は、なんとインプロのフリーセッション!まさかノッケから来るなんて!(^o^)!予想外の驚きと嬉しさに眼も身体も釘付け―――。向井さんが「ぼちぼち行こう」と指示しながら拳を握ったり開いたりしつつメンバーを指揮。それに従って、弾けては止まる音。やがて、それは大きなうねりとなって狂った演奏へと昇華していきます。まさに息つく暇ないセッション!そして、そのエンディングからノンストップで『COLD BEAT』へとつなぐカッコ良さ!『COLD BEAT』の後半、セッションの空気を引き継いで、何度もブレイクしながらいつも以上に即興度の高い演奏(←向井さんは、手を招き猫のようにしてカシオギターを操る)が展開されました♪ヤバい!ヤバ過ぎる〜〜!も〜うとにかく最高でした☆☆
 ここまで2曲でも失禁しそう(笑)なのに、そんなことでは許してくれません。更に凄まじいテンションヌで『RIFF MAN』を演奏し、うながり上がっていきます。
 次に来たオリジナルVer.の『I Don’t Wanna〜』が小休憩に感じられるぐらいの勢いで『Honnoji』を演奏し、『Weekend』ではフロアを踊らせ、『HIMITSU GIRL'S〜』で息を呑ませたZAZEN BOYS。いやいや、まじハンパない!
 『DARUMA』の冒頭、久々に「ダルマっ!」と言ってからマイクを離れる遊びを。「雨の中、こんなにお集まり頂き、本当にありがとうございました」「ほんと見たくてしょうがなかったんでしょうね〜」など笑いを誘いつつも深々と頭を下げる向井さん―――素敵でした(^o^)
 そして終盤。めっちゃ久しぶりな『The City Dreaming』!イントロが流れた瞬間「やった〜!」って感じ。だって大好きなんだもん、この曲♪超久々だった嬉しさだけじゃなく、この日の演奏はすんごく素晴らしかったんすよ〜!吉兼さんのサンプラー捌きも素敵だったし、そこからギターに戻った後向井さんが声を絞って繰り広げた〈ひとりコール&レスポンス〉もカッコ良かった〜。もう終わりかと思ったら、今度はフロアを巻き込んだコール&レスポンスがあったり、もうとにかく最高でした☆☆
 最後の『Asobi』では、久しぶりに向井さんが500mlペットマラカスを振り、途中から一郎君にバトンタッチするパフォーマンス!。受け取る一郎君の表情に笑ってたら、再びボトルを受け取ってエンディングに。「遊び心」満載の『Asobi』でした!
 この終盤2曲は、全体的にラテンの匂いが色濃くしてる感じで、『MATSURI SESSION』から始まった〈お祭〉が最後はリオの〈カーニバル〉になった気分♪
 開場前には大雨だったけど、終演後はすっかりやんだ帰り道―――。余韻に浸るなんて言葉を使えないほど衝撃的で、楽しくて、ビリビリきて、最高のライヴだったよ〜☆☆☆
Live Report #m-23 :逗子(090811)
2009.8.11 逗子海岸 音霊SEA STUDIO
 
 例年になく夏っぽい日が少なかった今年の夏ですが、この日は暑〜い。やっぱり夏といえば海。海といえば…湘南⇒逗子⇒音霊…ってことで、3年ぶりに向井さんがアコエレで海岸のステージに登場!
 夏の海辺の開放感で、オープン前に缶チューハイで乾杯しちゃいました(^o^)。
 
 1. The Days Of NEKOMACHI
 2. 感覚的にNG
 3. 夏は来ない
 4. WATER FRONT
 5. IGGY POP FANCLUB
 6. 守ってあげたい
 
 このイベントが始まった当初には設置されていた椅子席がまったく姿を消してオールスタンディングとなった今回は、6アーティストの対バンで、向井さんが登場した頃には太陽も沈みかけ、フロアもいい感じに酔っ払い〜状態(笑)。着物じゃないけど、ふらりアコギ一本片手に登場した向井さんは、流し感覚で弾き語りを始めます。
 打ち寄せる波の音が微かに聞こえてくる中、ゆ〜ったり&シャープな演奏に身を委ねる。―――まさに至福の時間です♪
 そんな中、この日一番のプレゼントは、向井さん自身「たいへん懐かしい曲をやってみましょう」みたく言ってから演奏した『IGGY POP FANCLUB』です。以前のバンドNUMBER GIRL解散以来、個人的にはアコエレでも聞いた記憶がなかったし、メロディーも歌詞もセンチメンタルな曲だから、ほろ酔い加減の脳内をいろんな思い出が駆け巡って、なんか感傷的気分になっちゃったけど、めっちゃ嬉しかったです☆
Live Report #i-1&2 :LOFT&ERA(090719)
2009.7.19&20 新宿&下北沢
 
 一つのバンドを応援してると、メンバーのソロ活動も気になりますよね。でも、アコエレをやってる向井さんに比べて他の3人は少ない。そんな中、メンバーの末っ子(笑)=吉田一郎氏が単身参加するライヴイベントが2夜連続でありました!
 
【第1夜】2009.7.19 新宿 LOFT
 2夜連続と言っても、この日は深夜イベントのため、正確に言えば両方とも7/20の出来事なんですが、それはさておき…まずは19日。
 深夜24:00スタートのイベントは、“Three Drs.Two Bass.#1”というタイトルの、文字通りドラムス3人×ベース2人という凄いイベント!参加ミュージシャンは、「Drs:HerAx(from 200mph/SPIRALCHORD)/小松正宏(from bloodthirsty butchers)/KAZI(from ex.REDЯUM)」&「Bass:清水義将(from SION&The Cat Scratch Combo/ex.惑星)/吉田一郎(from ZAZEN BOYS)」。そして、「One melody」というクレジットでキーボードにハジメタル!!!(from ミドリ)氏が加わるという超レア&濃厚なメンツ。
 普段は観客が立つフロア部分にドラムセット3台(見た目圧巻!)とベースアンプ、そしてキーボードというセッティング。ウチらは、基本的に後方の一段高くなってるエリアで見るっていう、なんとも珍しい状況でありました。
 ライヴが始まる前に一郎君といっぱい話しましたが、まったく打ち合わせなしのセッションだそうで、しかもハジメ氏以外とは、ほぼ初対面なんだって!だから、マジ何が起きるかわからない―――期待しちゃいます♪
 最初のステージが始まったのは24:30頃。ドラムスの3人が、お互いの息を測りながら激しく叩き合います。そこに登場した一郎氏。入るタイミングを窺いながら、身体でビートにノッていき、やがて野太いベースが弾けます。そこにハジメさんの狂ったジャジーな鍵盤が加わって、インプロならではの競演は盛り上がっていきました。
 ライヴは、その後休憩をはさんで1:30〜、2:30〜の2回あって合計3回。いずれも約30分ぐらいだったんですが、なにしろ即興だから、思い掛けない展開をするわけで、それぞれの表情も含めて見所満載。中憲も遊びに来てたし、楽しいイベントでした☆
 
【第2夜】2009.7.20 下北沢 ERA
 前夜が明けた日は祝日―――。その夜、今度は下北沢の小さなハコに再び吉田一郎が登場だ〜〜っ!
 ドラびでお氏ら主催の“Primitive!!!!?”ってイベントなんですけど、この日の出演者もバラエティに富んだ濃〜いメンツ。その布陣は…「ドラびでお/灰野敬二/石橋英子/七尾旅人/向山聡孝/吉田一郎」。う〜ん凄い!
 開演前には、またもや一郎君と前夜のセッションについて軽く雑談を(^o^)。小松さんのパワーに感心していました。
 ライヴは、入れ違いに参加メンバーが替わる形式で進行。一郎氏は、合計3回の登場でした。もちろん即興なんですけど、LOFTに比べてスローテンポの曲展開が多かったせいか、ベースを絡め始めるタイミングを取るのが難しいらしく、キッカケを見定めてる姿が面白かったです。
 彼以外の出演者が、いずれも曲者(笑)ばかりで、ありえん組み合わせが最高に面白かったな〜♪♪(それにしても、鍵盤弾いたり歌ったりドラムス叩いたり八面六臂の石橋英子氏には、改めてうならされました)
Live Report #m-22 :花やしき(090712)
2009.7.12 浅草 花やしき野外ステージ
 
 梅雨明け宣言発表も近い日曜の夕方―――。浅草の町は、まだ陽も高いのにベンチでチュ〜ハイを飲む人々がいっぱいおりました。時折、外国人観光客を乗せた人力車が走り、天秤棒を肩に担いで歩く物売りの姿も見られる風情豊かな浅草に、古くから頑張っている遊園地「花やしき」。そこは、まさに向井さんの夏にふさわしい場所であります。
 サーカス小屋を思わせる野外ステージの後ろ上空には、噂の超低空ジェットコースター軌道がうねり、左手には安っぽいDISKOのネオンが光る。そんな最高のロケーションに、黒いソフトにグレーのシャツでアコギ片手にふらり登場した向井さんは、まさに浅草旅ガラス。粋でいなせなステージの始まりでいっ、てやんでい(笑)
 
 1. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
 2. 夏の幽霊
 3. 夏は来ない
 4. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
 5. NEKO ODORI
 6. The Days Of NEKOMACHI
 7. WATER FRONT
 
 やっぱり夏の野外はいいっすね!ほろ酔い加減の身体にアコースティックな『CRAZY DAYS 〜』が滲み込んで行く〈CRAZY FEELING〉がたまりません。
 続いて「夏」の2曲を演奏してくれるのも、ニクいじゃありませんか。ユーモア溢れる夏ソングから透明少女の幻想へとつながる流れに身を任せていると、うっとりしちゃいます。
 都会の猫について語ってから「猫」2題。発表当初から大好きなんだけど長い間聞けなかった『NEKO ODORI』をやってくれたのには大感激!思わずクチパクで歌詞をなぞっちゃいました。憶えてるんだもんね〜(^o^)
 最後は、屋形船も行き来する隅田川に近い浅草ぴったりな『WATER FRONT』で締め。なんか始めから終りまで「う〜っとり」って感じのライヴでした♪♪終わって片付けしてる向井さんに声掛けたら「おうっ!」って粋な返事を貰って大満足☆ありがと〜♪

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Last Updated: 2024/6/14 Fri.

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