ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #119 :club asia(100625)
2010.6.25 渋谷 club asia
 
 梅雨中休みの蒸し暑い夜―――。渋谷のクラブにZAZEN BOYSが3年ぶりの登場!前回は冬でしたが、今回は夏直前、しかも金曜深夜とあってクラブっぽさが濃厚に匂う店内は多くの人が溢れており、メインステージフロアでも身をくねらせて踊りながらライヴを待つ人がたくさんいました。
 そんな中、23:00のオープンから2時間少し経った1:15頃にメンバーが登場し、いよいよ演奏開始であります。
 
 1. MATSURI SESSION
 2. I Don’t Wanna Be With You
 3. Sabaku
 4. Honnoji
 5. The City Dreaming
 6. COLD BEAT
 7. FRIDAY NIGHT
 8. Asobi
 
 まずは、向井さんが「MATSURI FREE SESSIONをオッぱじめますか?」と言ってブツ切りの混沌サウンドから始まるセッションをスタートさせます。
 続いてクラブの似合う『I Don’t Wanna〜』。いつの間にかライヴフロアは超満員になっており、久々の〈押し〉が後ろから来て酸欠状態の中、曲に合わせて踊る人々の熱が『Sabaku』で少し冷まされたのも束の間、次の『Honnoji』でフロアから「おお〜っ!」みたいな声が上がり、うながり上がる演奏と共にすんごく盛り上がりました。
 そして、ライヴでは久々となる『The City Dreaming』が始まります。クラブでやって欲しかった曲だけに嬉しかったな〜(^o^)。もちろん期待通りハコの空気に溶け込んで最高でした♪
 終盤は、カッコ良さの中にも遊び精神たっぷりの『COLD BEAT』、向井さんの振り上げる拳にフロアから「Oi Oi」のコールが応えてめっちゃ盛り上がり「そう、まさに、フライデーナイト!」で締めた『FRIDAY NIGHT』(←これも、なにげに久々)と続き、最後は再びクラブな感じで『Asobi』を演奏してライヴ終了。
 終演後、ステージフロアは再びDJによるクラブ空間に戻り、外のクラブフロアでも大勢が踊っていたので、終ったばかりのライヴがまるで「夏の夜の夢」だったと錯覚してしまうような、まさに一種独特な匂いの深夜ライヴでした!
Live Report #m-29 :QUATTRO(100620)
2010.6.20 渋谷 CLUB QUATTRO
 
今年も向井さんは“東京うたの日コンサート”に参加。今回で第5回となるイベントの最終日に出演しました。対バンがOKAMOTO’S、SISTER JET、遠藤賢司という珍しい組み合わせで、フロアに集まった人々の年齢層がかなり幅広いようでした。
 メンバー4人が違った空気を出していたのが面白いOKAMOTO’S、メロディアスでダンサブルで若さ溢れるSISTER JETのステージに続いて向井さんの登場です。
 向井さんは、器材を自らセッティングしてからクーラーボックスの缶ビール(この日は、キリンラガー)数本を手で触って(たぶん冷え具合をチェックしてたんじゃないかな?)から1本選んで一口流し込み、いよいよライヴスタート!
 
 1. The Days Of NEKOMACHI
 2. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
 3. TATTOOあり
 4. SAKANA
 5. WATER FRONT
 6. 性的少女
 7. 自問自答
 
この日は、エレクトリック・ギター1本勝負。弾いたフレーズをメモリーで重ねる手法の『The Days Of NEKOMACHI』で独特の空気を醸し出した後、ザクザクしたカッティングの『SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE』へと続きます。
 バンドの激しさを持ちながらも哀愁漂う切なさが際立つ『TATTOOあり』に続いて、先日披露されたばかりの新曲『SAKANA』へ。最小限に削ぎ落とした短いフレーズをメモリーで重ね、夏の温度を閉じ込めたような雰囲気の曲が展開されます。
 青色系に替わった照明と共に『WATER FRONT』で水際に連れられた後、まるでギターと一体になって神掛かっていくような『性的少女』。まさに眼前で憑依していくような凄まじさに圧倒されました♪
 そして締め括り―――。集まった人々に再度感謝の言葉を述べ「少し長いですが…」と前置きした後、『自問自答』を演奏して終了。
 
 イベントは、その後エンケンさんの「アコギ→ピアノ(!)→アコギ→エレギ&ドラムス」という唯一無比のパフォーマンスを経て、アンコール演奏へ。エンケンさんから《遠藤賢司と6人の息子たち》と紹介されつつOKAMOTO’SとSISTER JETのメンバーがイベントTシャツに着替えて登場し、ギターで向井さんも加わって『東京ワッショイ』を大合奏!
 終盤、エンケンさんがフロアに飛び込むやら、戻ったエンケンさんの挑発に乗ってドラムスのレイジ(OKAMOTO’S)がセットをブチ倒すやらの大騒ぎ(^o^)。向井さんも〈四股踏みポーズ〉で(笑)楽しそうにギターを掻き鳴らし、素敵なお祭り騒ぎでイベントは幕を閉じました。
 初めて見た2バンドを含め全てのパフォーマンスが楽しくて、めっちゃ充実した「お祭り」に参加できてマジ最高でした☆
Live Report #m&i-1 :GARDEN(100618)
2010.6.18 下北沢 GARDEN
 
 午前中曇りで我慢の梅雨空から堪え切れず雨が降り出した蒸し暑い夜、貴重で珍しい競演が行われました。去年オープンしたばかりのライヴハウス[shimokitazawa GARDEN]が1周年記念イベントのとして企画した“M☆N☆T SPECIAL”に、〈ドラムスボー+向井秀徳+吉田一郎〉というユニットとしてZAZEN BOYSの二人が出演しました!(ご存知の方もいるかと思いますが、ドラムスボー氏は、以前アヒト君が退団した直後に自ら申し出て向井さんのライヴでセッションしたドラマーです。)
 
 1. MATSURI SESSION
 2. パラレルワールド(by ドラムスボー)
 3. 開戦前夜
 4. 最後に一つだけ(by ドラムスボー)
 
 told、cinema staffという2バンドの演奏後、レアなユニットの登場です。ステージ中央にドラムスボー、向かって左に一郎君、右手に向井さんという布陣。
 まずは、3人が手探りで呼吸を読みながらのセッションが始まりました。ドラムスボー氏は競演を喜んでいるような笑顔を見せながらも緊張してる様子。しかし、ブツ切れのベースや掻き回すようなギターと反応しながら、次第に熱狂していきます。時々キーボードも加わった演奏は、いつものメンバーとは違う意味の緊張感に満ちていて面白かったです!
 次に向井さんによってボー氏が紹介され、2曲目へ。最初ボー氏は後ろ向きでギターを弾いて、いくつかのフレーズをエフェクターに記憶させてから向き直ってドラムスセットに向かいます。繰り返されるフレーズに一郎ベースと向井ギターが絡みながら曲が進行。
 続いて、ボー氏が向井さんとセッションするに至った経緯(前述&その後、正式に敦さんが決まってメンバーにはなれなかったが、またいつかセッションしようと話し、今回実現)を話し、当時競演した『開戦前夜』をスタート!
 最近ZAZEN BOYSのライヴでは演奏されなくなっていたので、めっちゃ嬉しかったし、一生懸命に叩きながら競演を噛み締めてるボー氏の姿に感動したし、3人が創り出す一晩限りの『開戦前夜』に酔いしれました♪
 最後はドラムスボー氏の曲。演奏は、シンプルだけど明るくて楽しいフレーズ中心に展開し、セッションの楽しさ=音楽の楽しさを改めて痛感させてくれました(^o^)
 演奏時間は約40分ぐらいで短かったけど、美味しさのギュッと詰まったライヴをレアなユニットで体験出来て最高だったです☆
 
Live Report #118 :JAPAN JAM(100516)
2010.5.16 富士スピードウェイ リベルタステージ
 
ロッキング・オン社が今年初めて企画した「春フェス」=“JAPAN JAM 2010”―――。富士山麓のレーシング・サーキットで2日間に渡り開催されたフェスの2日目にZAZEN BOYSが、ゲストに日本ジャズ界の巨匠である山下洋輔(pf)・坂田明(sax)の両氏を迎え出演!この奇跡的なライヴに最前エリアで参加して来ました!
 
 1. Honnoji
 2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 3. RIFF MAN
 4. Asobi
 5. SUGAR MAN (with 山下洋輔×坂田 明)
 6. Nakameguro (with 山下洋輔×坂田 明)
 7. COLD BEAT (with 山下洋輔×坂田 明)
 8. KIMOCHI (with 山下洋輔×坂田 明)
 
登場した4人は、黒いジャケットを着た向井さんのみならずカシオマンも濃紺系のプリントシャツで、全体にモノトーンな印象。それが逆に嵐の予感を与えてくれます。
 缶ビールを口にして「富士山シティ〜っ!」と雄叫び「まずは、我々で4曲ばかりやります」と告げ、演奏するかと思わせて再びビールで軽く笑いを取った後、『Honnoji』から攻撃開始!難しい曲を、いとも簡単にキメる姿に、初めて見るらしい観客からも「おお〜っ」などのドヨメキが聞こえます。
 続いて『HIMITSU GIRL'S〜』で変拍子のダンスに揺らされた後、フェスならではの前半段階から『RIFF MAN』。まだ夕刻の光には少し早い明るい空に、とてつもないビートが響きます。五月晴れの野外でカマされる『RIFF MAN』のカッコ良さといったら!
 夜の匂いの『Asobi』が始まった頃から、少しづつ夕刻が近付き、そんな中での横揺れは酔っ払いそうな快感でした。
 
 そして、このフェス最大の売りであるレアなジャムセッションの時間がやって来ます。―――向井さんの「じゃあ、そろそろお待ちかね、MATSURI SESSIONをやってみましょう」という言葉に続き、山下洋輔・坂田明の両氏がステージに呼び込まれ、いよいよ奇跡のセッションが始まりました!
 まずは、元々インプロ的な匂いの濃い『SUGAR MAN』から。曲の構成自体はあまり変えてなかったんですが、歌詞にある「何十年も前に死んだジョン・コルトレーン」が生き返ったかのように、山下氏のピアノ(←ステージには、スタンウェイのグランドピアノを下手にセッティング!)と坂田氏のサックスが自由奔放にメンバーに絡んで曲を再蘇生させ素晴らしかったです♪
 続いて「この日のために新曲を作って見ました。『NAKAMEGURO』という曲です。まあタイトルには、あんまり深い意味はありませんが…」みたいなコメントの後、「まさにジャム・セッション!」というような曲が披露されました。ジャズでは、基本のメロディ部分から始まり、途中で自由なインプロが展開されて、また冒頭に戻るというパターンがありますが、この曲はまさにそれ。下町の風景を思い起こさせるようなミディアムテンポのメロディ部分に挟まれたフリーセッション部分は、6人の個性がぶつかり合い、とんでもない化学変化を起こす凄絶な演奏!坂田氏はサックスのみならず様々な言葉を叫んでアジテートし、山下氏は演奏を心から楽しんでいるような笑顔をしながら指先は過激に鍵盤を叩き回り、これ以上文字では表現できないけど、とにかくすんごく刺激的なセッションでした☆☆☆
 ここで終らないのが今回の凄さ。お二人の豪華ゲストは居残ったまま『COLD BEAT』へ突入。二つの楽器が加わったことで重層的な魅力が増幅された主旋律部分に加え、普段でも遊びたっぷりの中盤ブレイク部分では、もちろんピアノ&サックスも参加したインプロがあり、もうハンパないカッコ良さ♪
 最後の『KIMOCHI』では、静かなヴォーカル部分にサックスが被って哀愁を増す一方、狂乱のインスト部分で各楽器が野獣のように暴れ廻って、もうすんごい演奏に!フェスだからアンコール曲ないのわかってても、拍手する手が止められない素晴らしさでした☆
 
 ただでさえ毎回新鮮な驚きを与えてくれるZAZEN BOYSが、大先輩の巨匠とがっぷり四つに組んで繰り広げられた奇跡のセッションは、音楽の持つ限りない魅力をたっぷり味わえた最高のライヴだったです☆☆
 そして、楽しみ、かつ狂うゲスト参加のお二人の姿に、新しい表現の追求に年齢など関係ないってことを改めて思い知らされ、すんごく勇気とエネルギーをもらいました!―――JAPAN JAM最高♪♪♪
Live Report #m-28 :九段(100508)
2010.5.8 九段会館
 
ソロでは久々の長いツアーをこなし、約4年ぶりとなる九段会館のステージに立った向井さん。帽子もジャケットもパンツも黒でシンプルにキメて登場しましたが、楽器もギター2本のみという、まさに「アコエレ」の名前にふさわしいシンプルかつ集中度の高いライヴとなりました。
 前回の九段同様、2部構成となっていましたが、前回が「1部=アコースティック/2部=エレクトリック」となっていたのに対し、今回は入り混じっての演奏でした。(以下のセットリストでは、それぞれ[A]・[E]と表記しておきました)
 
《第1部》
 1. NEKO ODORI [A]
 2. Delayed Brain [A]
 3. KU〜KI [A]
 4. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING [A]
 5. CRAZY DAYS CRAZY FEELING [A]
 6. 感覚的にNG [E]
 7. SAKANA(新曲)[E]
 8. TUESDAY GIRL [E]
 9. 鉄風、鋭くなって [E]
 10. WATER FRONT [E]
     ===休憩===
《第2部》
 1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE [E]
 2. TATTOOあり[E]
 3. The Days Of NEKOMACHI [E]
 4. 赤とんぼ(by 三木露風/山田耕作) [A]
 5. 七つの子(by 野口雨情/本居長世)[A]
 6. Blackbird(by The Beatles)[A]
 7. SUZUME(新曲)[A]
 8. The Girls in the Kimono dress(LEO今井と共作)[A]
 9. KIMOCHI [E]
 10. 性的少女 [E]
 11. 自問自答 [E]
 
 EN1:飛行機(by 渋さ知らズ) [A]
 EN2:守ってあげたい(by ユーミン) [E]
 EN3:CHE.R.RY(by YUI) [E]
 EN4:IGGY POP FAN CLUB [E]
 
 以上を御覧になってもわかるように、今回はめっちゃ盛りだくさんで濃厚な内容になっております!そして、演奏もさることながら、いつも以上にトーク(いわゆるMC)が長く、約10分の休憩を挟んで3時間近くに及ぶライヴでした♪
 そこで、あえて今回は素晴らしい演奏の詳細をレポートすることを極力控え、「向井トーク」を中心に箇条書きスタイルで書くことにします。
 
・ 登場した向井さんは、満席の客席を見渡した後、一言「あなたがた、えらい!」
・ インプロっぽく崩した『CRAZY DAYS〜』の導入部で「シッポ、シッポ。ヒゲ」と発言。
・ 新曲『SAKANA』は、夏の照り返すアスファルトのイメージ。
・ 『TUESDAY GIRL』の後で、「これは、いわゆるシングルのB面に当る曲ですが、そんな曲って後になって、どうしてアルバムに入れなかったんだろう。入れとけば、もう少し売れたんじゃないかと思うことありますね」みたく発言。
・ 『鉄風、鋭くなって』の後に、日本アカデミー賞の受賞式に招かれたことに触れ、「主演女優賞とか助演女優賞とかの女優さんがステージに並ぶんですけど、美人がずらりと並ぶと、なんか吐きそうな感じになりますね」みたいなコメントを。
・ 重く暗い音色を中心にエフェクターのメモリーで重ねて演奏した『The Days Of NEKOMACHI』では、導入部で客席が静かなのに反応して「知ってる?」と発言し笑いを誘う。
・ その演奏後、アコギをチューニングしながら「別にオーチャードホールとか東京国際フォーラムとかで演奏するわけやないんやから、そんな神経質にチューニングせんでもよか」みたいに言いながらチューニングを続ける。
・ さらにZAZEN BOYSと競演した立川志らく師匠の落語『らくだ』やジョン・コルトレーンの『My Favorite Things』について触れ、「落語とかジャズがいいというより、立川志らくだからいい、ジョン・コルトレーンだからいい」みたいな話をし、引き続き来週に迫った《JAPAN JAM 2010》でセッションする山下洋輔・坂田明両氏とリハーサルをして楽しかった話をし、「ぜひおいでください。無理強いはしませんが」と告知。
・ アルペジオが最高だった『Blackbird』の後、新曲のタイトルを紹介して「なんか、鳥の歌ばっかですね」
・ LEO今井氏と共作したという『The Girls in the Kimono dress』では、終盤に「パンパン、パンッ」みたいなスキャットで盛り上がっていき、とっても素敵(^o^)
・ アンコールに応えて再登場した後、缶ビールの泡がこぼれて「酔っ払ってませんからね。しかし、酔っ払わない人間は、人間じゃない」
・ ノリノリの上機嫌で歌った『CHE.R.RY』は、まさに「独り宴会状態」で最高!
・ 最後の最後は、初めて椅子から立ち上がって『IGGY POP FAN CLUB』を!まるでバンドが復活したかのような迫力の熱演で締め。
 
 いや〜、箇条書きで少し冷静になって書いてみたのに…それでも興奮する〜っ!てか、マジ最高だった!超良かった♪♪&音楽の持つ限りない魅力を再発見させられた極上のライヴだったで〜す☆☆☆

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Last Updated: 2024/4/13 Sat.

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