ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #123 :鰭鰭祭(101024)
2010.10.24 東洋学園大学 流山キャンパス
 
 前回のライヴから約1ヵ月半―――。その長さをどう感じるかは人それぞれだと思いますが、重度のZAZEN中毒患者の俺にとっては、すんごく長くて、ようやくありつけた待望のライヴ!それが、なんとワンマンのフリーライヴ!嬉し過ぎる〜(^_^)
 そんなありがた過ぎるライヴが行われたのは、東洋学園大学の学園祭“鰭鰭祭”。学校は、初めて降りた南流山駅からバスで5分ぐらいの長閑な場所にありました。園内は、1〜2年生用のキャンパスだからなのかわからないけど、アルコール類を一切販売しておらず、持ち込みも禁止という大学祭としては珍しい状況でした。
 そんな禁欲的な環境でしたが、体育館にあるステージで始まったライヴは、まさにMATSURIと呼ぶにふさわしい素晴らしいものでした!
 
  1. I Don’t Wanna Be With You
  2. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
  3. MABOROSHI IN MY BLOOD
  4. IKASAMA LOVE
  5. Honnoji
  6. SEKARASIKA
  7. Weekend
  8. DARUMA
  9. COLD BEAT
 10. FRIDAY NIGHT
 11. Asobi
 EN1. KIMOCHI
 EN2. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
 
 まず珍しかったのは、飲酒禁止の環境に配慮して向井さんと吉兼さんに用意された缶ビールを白いラベルで包んで、一見アルコールだとわからんようにしてあったこと。そんな白缶を向井さんはぐいと飲み、ライヴが始まりました。
 学祭の雰囲気同様に長閑で静かなフロアに、『I Don’t Wanna〜』が染み渡り、少しずつ空気が温まっていくのがわかります。
 驚いたのは、体育館という場所のイメージからは想像できないほど音の響きが良かったことです!ステージとフロアは仮設の柵で仕切られていた上、メンバーの立ち居地もいつもより若干奥まっていたんですが、その距離とメインPAスピーカーのバランスが絶妙で、いつもなら最前にいるとモニターからの響きの方が強い印象なのに、今回はミキサーを通したバランスのよい音がすんごくクリアーに聞こえるんです。だから「踊りながらも聞き惚れちゃう」みたいな感じで、めっちゃ新鮮でした。
 そんな中での『IKASAMA LOVE』では、中盤の延々とカッティングを繰り返す部分で、向井さんがずっとドラムスの方に向いていたのが、ちょっと珍しかったな…。
 絶妙な音響バランスで久しぶりに体験した『SEKARASIKA』は、もう最高に嬉しくて、その気持ちを抱き締めたまま『Weekend』で踊れたからマジ幸せ〜♪
そして、冒頭の遊びを軽めにして、中盤のチャルメラもなかったけど、その分疾走感が増して超カッコよかった『DARUMA』を経てライヴは終盤に向かいます。
 学校が都心部から少し遠いせいなのか、せっかくのフリーライヴにもかかわらず体育館に集まった人の数は、けして多いとは言えませんでしたが、そんなことでZAZEN BOYSが手を抜くはずはない!てゆ〜か、むしろ逆に演奏への集中度が増してる感じがして、次の『COLD BEAT』なんかハンパなく凄かったもんね!
 中盤、向井さんが指や掌で楽器を操る部分も楽しかったけど、その後にいつも以上にフリージャズっぽいインプロのセッションを繰り返す部分があって、もう言葉に出来ないぐらい素敵だったです☆☆
 最後は、『FRIDAY NIGHT』で踊って『Asobi』に酔って本編終了。大きな手拍子に迎えられて再登場したメンバーは、渾身の『KIMOCHI』をブチ込んでくれたばかりか、オリジナルヴァージョンに近い『CRAZY DAYS〜』まで演奏してくれ、まさに至福の時間は幕を下ろしました。
 
 終わった頃には雨が降っていて、肌寒い夜に変わっていましたが、気分はポカポカ。こんな充実したライヴ(しかも全13曲!)を無料で見れたなんて、マジ申し訳ないぐらい贅沢!ZAZEN BOYSのメンバーとスタッフさんだけじゃなく、学園祭実行委員の方々、本当にありがとうございました!
 
興奮電気 #17
 向井さんの新しいユニット=KIMONOSのSingleが、アナログ盤とダウンロード配信で発表になり、さらに公式サイトで「初めての著書」発売も発表されましたね!いや〜、この立て続けの発表に興奮電気がビリビリしっぱなしであります!
 
 KIMONOSのSingleには、既にPVで発表された曲『ALMOST HUMAN』の他に、来月に出るアルバム収録曲『NO MODERN ANIMAL』の別ヴァージョンが2曲入っています。
 リードチューンの『ALMOST HUMAN』は、PVよりも少し長くて、より曲の細かい部分がチェックできて素敵でした。
 リミックスされた『NO MODERN ANIMAL』は、ウェブサイトで書かれている「多国籍なようでいて無国籍な、いつの時代にも、何処の国にもなかった、2010年の日本でしか鳴り得ない音楽」という記述にふさわしいような曲で、特に「Dub Version」はすんごく新鮮でオススメです!
 また、〈妄想夢物語集〉と銘打った『厚岸のおかず』は、タイトルを見ただけでも読書意欲をソソる本ですよね!いや〜、すんごく期待が膨らんじゃいます!
 
 11月には、そんなアルバムと著書が手に入るんだもんね!もう、めっちゃ楽しみだ〜☆
Live Report #122 :QUATTRO(100913)
2010.9.13 渋谷 CLUB QUATTRO
 
 時がたつのは早いもので、ZAZEN BOYSが結成されてから既に約7年―――。そして、それ以前のNUMBER GIRL時代に行われたKING BROTHERSとの対バンイベント“王様vs侍”が約10年ぶりに復活しました!(前回は、2001.3.3 at 渋谷AX)
 前回のイベントでは「真剣勝負」と銘打って主催したキンブラのステージに先駆けて、ZAZEN BOYSは先攻での登場です。
 
  1. MATSURI SESSION
  2. I Don’t Wanna Be With You
  3. Honnoji
  4. MABOROSHI IN MY BLOOD
  5. IKASAMA LOVE
  6. TANUKI
  7. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
  8. DARUMA
  9. COLD BEAT
 10. Asobi
 
 今回の真剣勝負1発目は『MATSURI SESSION』から。向井さんがカシオマンに「メインフロア」と一言。そのキーワードに吉兼さんが反応し、切り裂くようなギターを掻き鳴らします。続いてベース、ややあってドラムスと加わってセッションがスタート。即興のフリーセッションだけに毎回違うのは当然ですが、この日のセッションは弾けて狂う「拡散」と曲としてまとまって行く「集約」のバランスが抜群に良くて、スリリングでカッコよくて、今まで体験したセッションの中でもトップレベルの出来映えだったと思います。めっちゃ良かった〜☆☆ そのせいか、演奏しながら指揮をする向井さんが上機嫌でノッてるのがわかりました。
 そのノリは、もちろんメンバーに伝わるわけで、そんなゴキゲン状態の相乗効果で『I Don’t Wanna〜』も『Honnoji』もビンビン突き刺さる演奏が展開されました!
 そして、ちょい久々の『MABOROSHI〜』→『IKASAMA〜』で我を忘れて盛り上がり、もう楽しいのなんのって♪
 続いて「子だぬきの親子、という曲をやります」と言って『TANUKI』。こんなところにも向井さんの上機嫌が感じられます。
 その後『HIMITSU GIRL'S〜』や『DARUMA』のカッコ良さに釘付けになっているうち、あっという間に終盤になっちゃいました。ああ、もっともっと!って気分。
 そして終盤―――。『COLD BEAT』中間の遊び部分では、向井さんがカシオマンを掌で指揮しながら思わず吹き出す場面もあったし、最後の『Asobi』でも、場内整理のスタッフをステージに上げて自分の500mlペットマラカスを振らせるなど遊び精神たっぷりで、かつ極々の演奏をキメてくれました!
 
 この日の向井さんは、とにかく上機嫌だったんですが、それだけじゃなくて、うまく言えないけど、いい意味でベテランの貫禄っていうか大人の余裕っていうか、そんな空気が漂っていた気がします。だから、ゴキゲン過ぎて暴走しそうになるのをギリギリのラインで止めてるみたいな部分が感じられて、そんなところが面白かったです。そして、その空気に反応したバンドの演奏も、バカ騒ぎとクールなキメのバランスが取れてて最高でした♪
 なんかね、毎回レポート書くたびに最高、最高って言ってるみたいかもしれないけど、そう言いたくなるライヴが多いんだもん、しかたないじゃん。てか、うん、とにかく、この日のライヴは文句なしに最高でした〜〜っ☆☆☆
Live Report #121 :芸大(100905)
2010.9.5 東京藝術大学 野外特設ステージ
 
 9月に入っても記録的な猛暑が続いております。これだけ暑いと秋祭りなんだか夏祭りなんだかわからんけど、各地ではいろんなお祭りが開かれています。そんな中、めっちゃラッキーでハッピーなお祭りがありました!それはZAZEN BOYSが出演する学園祭=東京芸術大学の『藝祭』であります。
 美術学部側のキャンパス内に特設された野外ステージでは、いろんなサークルなどの演奏が繰り広げられていましたが、サックス科(←こんなのあるんだね。さすが芸大)のチームによる演奏に続いてZAZEN BOYSの登場です!
 
 1. MATSURI SESSION
 2. I Don’t Wanna Be With You
 3. Honnoji
 4. Weekend
 5. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 6. DARUMA
 7. COLD BEAT
 8. FRIDAY NIGHT
 9. Asobi 
EN. KIMOCHI
 
 セットチェンジの時間、ステージと地面フロアの間に長机を使った〈簡易バリア〉が設置され、急に人口密度が増す中、登場した敦・一郎ペアのサウンドチェックに早くも大歓声が起こり、既に盛り上がりの予感。
 やがて濃紺のシャツに黒い帽子を被った向井さんは、缶ビールを一口飲むと軽い挨拶の後キーボードに掛かり『MATSURI SESSION』が始まります。ベース→ドラムス→サックス(カシオサンプラー)と加わって混沌とブレイクと爆発を繰り返しながら昇っていく即興のセッションは最高でした☆☆
 次の『I Don’t Wanna〜』の段階で、既に後ろからの〈押し〉が凄くて、最前にいると机バリアに倒れそう。ステージの後方には、一段高いバルコニーがあって、そこにも大勢の人々が立ち並んでライヴを見ています。
 ステージを囲む空間すべてが熱く盛り上がっているような状況の中、『Honnoji』が始まり熱狂はさらにヒートアップ。机の上で〈押し〉を食い止めるスタッフさんも大変そうだったけど、演奏は抜群のカッコよさで、ライヴの幸せに浸ってました(^_^)。
 続いて大好きな『Weekend』。うん、やっぱ最高!バルコニーでも楽しそうに揺れてる人達が見えて、それ見てこっちもさらに楽しくなって踊りまくっちゃいました!ああ、幸せだ〜♪(向井さんは、青いグラサンで振り向き遊び)
 そんな最高な気分で『HIMITSU GIRL'S〜』を迎えた後、かなり久々な気がする『DARUMA』。これまた大々大好きな曲だから心の中でガッツポーズ(^_^)。導入部の「ダルマブレイク」で、向井さんは日芸の映画学科受験に失敗した話をしたり、芸大はアートの拠点ですね的な話をしたりして笑わせつつメイン部分へ。全員が楽器を使ってせめぎ合うスリリングな演奏に吸い込まれつつ大興奮しました☆☆
 次の『COLD BEAT』では、全体の空気がコールなしでレスポンスを産む一瞬があって、そんなライヴ感覚も楽しかったし、中盤の向井さんが指や掌で楽器を操る遊び部分も、バルコニーの楽しそうな顔が見えて、より楽しめました♪
 そして『FRIDAY NIGHT』で踊りまくり、遊びたっぷりの超長尺『Asobi』(向井さんは、自分のミニペットマラカスをフロアの人に渡して振らせたりしてました)に酔いしれて本編終了。
 大声援に応えてすぐに戻ってきたメンバーから最後に贈られたのは、これまたちょい久々な『KIMOCHI』。緩急の差で改めて迫力を実感した後、最終盤では「キ・モ・チ・を〜」の「を〜」をバリエーション豊かに小節廻しながら、最後は「長え」と自分突っ込みして(笑)エンディングを迎えライヴはすべて終了―――。
 
 もうね、マジ最高!学園祭のフリーライヴだったのが申し訳ないぐらいに素晴らしいライヴでした〜!演奏だけでなくバルコニーも含めて楽しんでるみんなと時間を共有できたのも超嬉しかったし、ほんとにめっちゃ素敵なお祭りでした☆☆☆
Live Report #m-31 :Naked(100820)
2010.8.20 新宿 Naked Loft
 
 まだまだ蒸し暑い夏の夜の新宿で、めっちゃ贅沢なライヴがありました。そう、向井さんのソロワンマンがキャパ100人程度のハコで行われたんです!
 会場は、新宿とはいえ大久保よりのいわゆるコーリア・タウン入り口にあり、近所にも焼肉屋などが立ち並んでいます。その一角にあるライヴハウスは、職安通り沿いなので店内から道行く人々が見渡せ、並べられた丸椅子に座っていると、なんとなく屋形船にでも乗ってるみたい。
 そして、ステージは仕切りなど一切なくフロアと地続きなので、最前にいると、もうすぐ目の前に向井さんがいるんです!マジで目の前!貸切の屋形船に向井さんを招いてるみたいな贅沢気分の中ライヴは始まりました。
 
 1. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
 2. Delayed Brain
 3. KU〜KI
 4. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
 5. WATER FRONT
 6. ロックトランスフォームド状態におけるフラッシュバック現象
 7. SAKANA
 8. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
 9. 感覚的にNG
 10. TATTOOあり
 11. The Days Of NEKOMACHI
 12-1. 赤とんぼ(by 三木露風/山田耕作)
 12-2. 七つの子(by 野口雨情/本居長世)
 12-3. Blackbird(by The Beatles)
 13. The Girls in the Kimono dress(with LEO今井)
 14. 性的少女
 15. 自問自答
 EN1. 鉄風、鋭くなって
EN2. I Don’t Wanna Be With You
 EN3. 飛行機(by 渋さ知らズ)
 
 元々は、最初の5曲をアコギで演奏する予定だったらしいんですが、登場してアコギをチェックした向井さんは、音の響きがおかしいと一郎君らスタッフに調整を依頼し、エレクトリックに持ち替えてライヴをスタートさせました。(結局、本編中アコギの調整が付かず、全曲Eでの演奏に)
 エレクトリックとはいえ、狭いハコで最小限のPAなので、ギターの音もヴォーカルも染み渡るように響きます。
 本来AからEに変わる6曲目からの中盤、新曲も含めた名曲の数々に聴き入っているうちに、たちまち終盤が訪れます。なんか夢みたいな時間の経過でした。
 「童謡のコーナーをやってみましょう」と渡されたアコギをチェックしましたが、やはりNGの様子で再びEにて『赤とんぼ』からの3曲。ほろ酔いの身体が思わずうつらうつらしちゃう贅沢な時間が流れます。
 その後、向井さんはカウンターの隅で飲んでいたレオ今井氏をステージに呼び、『The Girls in the Kimono dress』をデュエット。レオ氏の澄んだ声との競演というレアな空間に酔いしれました。
 力強いギターの『性的少女』と力強い言葉の『自問自答』で本編が終了した後、再び登場した向井さんは、やっと復活したアコギを手にアンコールに応えます。
 ソロならではの味わいに満ちた『鉄風〜』の後に演奏された『I Don’t Wanna〜』は、まるで別の曲みたいなアレンジを披露してくれ絶品。最後は「今度ライヴに呼ばれまして、これを歌うことになったんです」と言って渋さの『飛行機』を演奏してライヴ終了。
 
 もし最初からアコギの調子が良くて予定通りに進行できてたらな…、なんて思ったらバチが当たるぐらい贅沢な一夜を過ごすことが出来ました♪

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Last Updated: 2024/11/2 Sat.

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