ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #m-35 :CAY(110511)
2011.5.11 青山 CAY
 
 大震災の影響で約2ヶ月延期になった夢の競演がようやく実現しました!あいにくの大雨でしたが、グランドピアノのある洒落た空間は大勢の人が集まって奇跡のステージを待っていました。もちろん俺も〜(^o^)
 定刻で向井さん登場。帽子を被ってベージュ系のシャツを着た向井さんは、氷の詰まった入れ物に数本用意された缶ビールを一口飲んでからアコギでの演奏開始です。
 
 1. WATER FRONT [A]
 2. 感覚的にNG [A]
 3. KARASU [A]
 4. OMOIDE IN MY HEAD [A]
 5. SAKANA [E]
 6. 俺は知らない(I don’t know)[E]
 7. The Days Of NEKOMACHI [E]
 
 アコエレでもお馴染みの『WATER FRONT』ですが、この日のハコはピアノ演奏に対応してるせいかスピーカーの鳴りがなんだかよりクリアーな感じで、じわじわ刺さりました。
 大雨の天候にマッチする『感覚的にNG』では、生々しい「女、女」 (笑)とギターの掻き鳴らしが最高で、「高速道路の帰り道」と歌いだす『KARASU』も哀愁たっぷりで素敵でした♪
 その後、向井さんはちょいと長目のトーク。「福岡に山笠まつりというのがあって、その中心に櫛田神社っていうのがあるんですけど、15年ぐらい前に、そこで酔っ払って記憶を無くしたことがあります。私、今まで酔っ払って記憶を無くしたことは3回ぐらいしかありませんが、その1回がその時でしたね。」みたいな話で、朝、気が付いたら神社の中のフローリングの床に寝ていたので驚いて逃げ出したそうです。
 そして、「その時に作った曲です」と言って『OMOIDE IN MY HEAD』を演奏。そんな話が本当だと思って聞いてみると、そんなふうにも思えるから不思議でした!
 カッティングの冴え渡るリフが重層する『SAKANA』、声の延びが気持ちいい『俺は知らない』、そして過激に飛び回るサウンドの喧騒と漂うような静寂の交錯が最高な『The Days Of NEKOMACHI』の3曲をエレクトリックで演奏して一旦退場です。
 
 続いてのステージは、スガダイロートリオによるジャズ。かなり久しぶりに生のグランドピアノを聴いたけど、表現力の幅広さにビックリ!ジャズトリオならではの即興を交えた息の合ったプレイを堪能しました(全5曲)。そして、いよいよ念願の対決がスタートです!
 
 ステージにはウッドベースもドラムスもなしになって、まさにガチンコ対決であります。まずは、向井さんのエレクトリック・ギターが仕掛けます。そう、お馴染みチャルメラフレーズ。スガダイロー氏が笑いながらピアノで対応。その後、チャルメラ変奏曲みたくなっていきます。やがて向井さんがマイクで「しゃべくり攻撃」。「日曜洋画劇場。最初の30分はCMが入りません。30分過ぎると10分ごとにCMが入る。『宇宙から来たツタンカーメン』ちゅう映画を2年に1回ぐらいはやる。小学生の時住んでいた公団住宅にチャルメラの屋台が来る。10分ごとのCMの合間に買いに行く。そのラーメンが凄く不味い」みたいな内容(笑)。
 その長〜い即興セッションの後は、向井さん本人演奏後に「なんじゃこりゃ」と苦笑した『お祭りビート』的な変奏曲や、『赤とんぼ』『Asobi』などと素敵なセッションが続きましたが、ライヴが20:00開始のため既に23:00近くになっており、スタッフの差し出す「あと10分」というカンペにうなづいて最後に演奏されたのは、以前ソロのワンマンで披露されたことがある渋さ知らズの『飛行機』でした。
 ダイローさんも、向井さんに独特なコードの押さえ方を懸命に見詰めながら即効美しいアレンジでピアノを添えて応え、素敵な奇跡のセッションは終了しました♪♪
 
 外では、終演後も雨が降り続いていましたが、贅沢なご馳走を頂いた満腹感に浸りながら帰路に着きました。
Live Report #134 :JAPAN JAM(110505)
2011.5.5 幕張メッセ 特設ステージ
 
 野外から屋内へ会場を移して行われた2回目のJAPAN JAM―――。その最終日にZAZEN BOYSが出演しました。
 今回は、3日間の開催でしたが、ステージは一つだけで、ホストアーティストも各7組という少数精鋭の布陣。だから各アーティストの持ち時間も約1時間とたっぷりあって、それだけでも開場前からテンション上がっちゃいました!
 さて、今回は、既にフェスの公式サイトで最速のレポがアップされていますので、そこに書かれていないことなどを中心に感想文っぽく書いておきます。
 
 こういうフェスでは、いつもセットチェンジ中に松下さん&一郎君という二人のメンバー自身がサウンドチェックをしていて、それがミニセッション風で楽しみなんですけど、今回は凄い!っていうのは、なんとゲストも含めて全員でやったんです!
 前のステージが終了後、すぐにバラバラと7人が出てきて、それぞれにモニターの位置などを確認してから音出しを始めました。それだけでもワクワクしちうけど、さらに「松下さん&一郎君」コンビが『Don’t Beat』を使ったセッション風の音合わせを始めると、そこにサックスやペットなど他の楽器がなにげに絡んで、向井さんなんかちょこっと「Don’t stop the beat」なんて歌っちゃうし、まさに「転換明かり中のミニセッション」って感じになって、もうめっちゃお得でした(^o^)
 
 1. 赤とんぼ(with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 2. COLD BEAT(with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 3. 東京節(with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 4. Rollin' Rollin'(by 七尾旅人 with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 5. CRAZY DAYS CRAZY FEELING(with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 6. お祭りビート(Matsuri)(with 坂田明×近藤等則×七尾旅人)
 
 そんなわけで、今回は最初からゲスト含めた7人編成です。この日登場した他のアーティストが、形やタイミングは違うにせよ「まず自分らで演奏してからゲストを紹介して呼び込む」という展開をしていたのに対し、ZAZEN BOYSだけがノッケから。これって、まさにJAPAN JAMの真髄って感じで、せっかくのレアな企画だけに1曲でも普段できない体験をしたいと思って臨んでる俺とかには最高でした☆☆
 ネットで先行配信された『赤とんぼ』は、あの音源でもそうとうアガったけど、幕張ではそこに3人が加わって、しかもライヴなんだから素晴らしいなんてもんじゃなかったっす♪もうヤバ過ぎ〜〜〜っ!
 去年のJJでも取り上げた『COLD BEAT』では、中盤のインプロセッションで向井さんが呪文つぶやき(笑)しましたが、その中で「女の股ぐらの奥底にある物体」というフレーズが印象的でした。しかも「それは水」なんだって。
 ウェブ配信の付録映像にもあるように『東京節』では向井さんがフロアタムを叩きながら歌いました。→だから、当然ながら向井さんのヴォーカルマイクは奥のドラムセットエリアに移動したわけですけど、そんな立ち位置で歌う姿を見たの初めてだから新鮮でした〜。坂田さんも歌ったけど、楽しそうでしたよ〜(^o^)
 最後に『CRAZY DAYS〜』から繋いで演奏された『お祭りビート(Matsuri)』では、いつもの「らっせ〜、らっせ〜、らっせ〜ら〜」「えじゃないか、えじゃないか、え〜じゃないか〜」「わっしょい、わっしょい」の3組が2セットあって(=いつもより長い)、そこに究極のブラス隊が加わってるんだもん、楽しいなんて言葉じゃ表せない至福のお祭りタイムでした☆
 
Live Report #k-2 :WWW(110427)
2011.4.27 渋谷 WWW
 
 フェスやインストアライヴや公開録音では何回かライヴを行ってきたKIMONOSですが、いわゆる「普通のライヴ」(←っていうのも変ですけど…)としては初めてのライヴが行われました!しかも、なんと対バンは元NUMBER GIRLのチャコちゃんがメンバーの新バンド=LAMA.。うん、そんな不思議な巡り合わせもあり、めっちゃ期待しちゃいました。
 
 1. The Girl In The Kimono Dress
 2. Mogura
 3. No Modern Animal
 4. Miss
 5. Sports Men
 6. Yureru
 7. Haiya
 8. Tokyo Lights
 
 今回のステージセットはシンプル。向井さん側にはシンセドラムもキーボードもなく、ギター1本だけ。シンセや打ち込み操作はレオ今井氏のみが担当するセットでした。
 しかし、そうしたことで、逆に2人だけのユニットならではの新しい魅力が引き出されていてビックリしました♪
 例えば、『Mogura』ではシンセドラムがない分、向井さんのパーカッシヴなギターカッティングが効果的だったし、『Haiya』なんかはアルバム音源とはまったく違った雰囲気に仕上がってて、すんごく良かったです☆
 俺にとってはライヴ初体験の『Miss』『Yureru』などスローな曲も新鮮だったし、向井さんがギター&ヴォーカルに専念することでビート感が増した『Sports Men』や『Tokyo Lights』などアップテンポな曲ではめっちゃ元気をもらえました♪
 演奏以外で印象的だったのは、向井さんの表情が穏やか&にこやかだったこと。なんか「神経質な弟を優しく見守るお兄さん」みたいな雰囲気でした。それは同時に、このユニットに対するZAZEN BOYSとは違うスタンスを感じさせてくれました。
 今後のライヴが続々と発表されてることも含め、「いよいよKIMONOS本格始動!」って感じがして、とっても楽しい気分になれたライヴだったです(^o^)
Live Report #m-34 :GOODMAN(110417)
2011.4.17 秋葉原 CLUB GOODMAN
 
 以前にも出演したことがあるドラびでおさんの企画“COLLABORATION BREAKDOWN”に、向井さんが久しぶりで参加。今回は、さらに大友良英氏が加わって異色の組み合わせによるセッションが繰り広げられました。
 ライヴは、ドラびでお氏のパフォーマンスからスタート。今回は、腰痛ということでドラムスを叩かずに、打ち込んだ音源をコントロール・パッドで操作していました。相変わらず皮肉たっぷりのパロディ映像に場内からは大きな笑いが。
 その後、大友良英氏の原発トークを交えたノイズ・パフォーマンスがあり、向井さんが登場。ここでは、アコエレとして5曲を演奏しました。
 
 1. SAKANA [E]
 2. 俺は知らない(I don’t know)[E]
 3. The Days Of NEKOMACHI [E+A]
 4. KARASU [A]
 5. WATER FRONT [A]
 
 この日のキーワードは、〈禁じられた遊び〉―――。現れた向井さんは、レーゲンブロイの瓶をグイと飲んでアコギを手にし、「うろ覚えなんですけどね…」とか言って、わざと間違えつつ『禁じられた遊び』を弾き始め、すぐに中断して本編へ。
 すっかりお馴染みになってきた『SAKANA』から始まり、なんとも切ない空気が漂う『俺は知らない』を経て、両ギターを駆使した『The Days Of NEKOMACHI』へと進む流れで、大友氏までの空気は入れ替わって行きます。
 先日披露された『KARASU』は、演奏時間は短いんですが、改めて名曲だな〜って思いました♪そして『WATER FRONT』を歌い上げた後、「最後の曲です」って言うから「なんだろう?」と思ったら、またもや『禁じられた遊び』をわざと間違えつつ少しだけ弾いてオシマイ(笑)。
 
 でも、実はこれ、この後のセッションの前振りだったみたい。短いセッティング・タイムを挟んで、後半の3人によるフリー・セッションが始まったんですが、ドラさんのシンバルに続いて向井・大友両氏のギターから出てきたメロディーが『禁じられた遊び』でした。
 このフレーズを導入部として、それからはまさに一発勝負の即興演奏がスタート!ドラさんのリズム変化をメイン・キーにして、向井さんのギター&シンセ、大友氏のギター&ターンテーブル&ノイズが絡み合う素敵なジャムが展開されました♪
 今までも、こういったセッションでは、向井さんが発するラップじゃないけど呪文の言葉が演奏を触発してきましたが、今回もそう(^o^)―――セッション中盤に、出た出た〜っ!
 まず「アキハバラっ アキハバラのホコテンっ」みたいに始まり「36回ローンで買った 望遠カメラ」とか言って、さらに「パンチラっ」(笑)。この単語が次のキーになり、向井さんが「花柄」と言うと、大友さんが「白が好き」と応酬。エロいというより可愛い言葉の掛け合いに場内も大喜び。大友さんは、ミキサーに接続したマイクでフロアの声も拾っての大サービス。まさにライヴならではの盛り上がりでした♪
 セッション終盤に、向井さんはキーボードでお馴染みチャルメラフレーズを弾き、そのメロディーで「とりあ〜えず 抱き締めてよ」とか「さりげ〜なく 待たされてる」とか次々に替え歌が飛び出しちゃって最高!ドラさんは、ドラムセットにガムテープを張り巡らせたりしてるし、もうなんかお花見&お祭り気分で、マジ楽しかった〜☆
Live Report #m-33 :代官山 (110408)
2011.4.8 代官山 晴れたら空に豆まいて
 
 大震災の影響でバンドもソロも公演延期が続いていた向井さんですが、久しぶりとなるライヴが大先輩の友川カズキ氏と2マンで開催されました!
 本人いわく「楽しみにしておりました」というイベントは、タイトル“友川カズキ、向井秀徳 呑み、うたう。”の通り素敵なヘベレケライヴ(笑)となりました♪
 
  1. WATER FRONT [A]
  2. 感覚的にNG [A]
  3. KARASU [A]
  4. SAKANA [E]
  5. 俺は知らない(I don’t know)[E]
  6. 性的少女[E]
  7. The Days Of NEKOMACHI [E+A]
  8. ふるさと[A]
  9. OMOIDE IN MY HEAD [A]
  10. 自問自答[E]
―――――――――――――――――――――
  EN:東京節〈パイのパイ節〉(by 榎本健一) [A]
 
 向井さんは登場すると、楽屋で友川さんから焼酎を飲まされて既に酔っているとコメントし「まあ…そういうコンセプトですから」みたいに言ってアコギを構えました。
 焼酎ソーダ割りを一口飲んで始まった『WATER FRONT』がウチらの脳内に浸み込んだ後の『感覚的にNG』では、「女、女…」の部分で既にホロ酔い気分な雰囲気で素敵でした(^o^)
 続いて演奏された新曲の『KARASU』は、「一羽の烏が高層ビルを飛び越えて舞い、やがて電線から落ちて死ぬ。その死体を見て区役所に電話した後、道に羽が一枚落ちていた」という内容の歌詞で、冷凍都市の風景を切り取った静かな名曲でした!すんごくいいです☆
 その後エレクトリックに持ち替え、いくつかのフレーズをメモって重ねて『SAKANA』を演った後、「前に『I don’t know』という名前でやっていました」みたく言って『俺は知らない』に。アコエレでは以前にもやってますけど、この日はアルコール効果でより深みがありました。
 過激なフレーズを幾重にもエレクトリックでメモリーして重ねた後、アコギに持ち替えて『The Days Of NEKOMACHI』をキメてくれた後、嬉しいプレゼントが!「童謡のコーナーをやってみましょう」と言ってから、なんとブルースハープを首にセットして、少し前に向井さんのサイトでアップされた『ふるさと』を披露してくれました♪コメントはなくても大震災の被災者に向けた温かいメッセージが伝わりました。しかもブルースハープ超カッコよくキマってましたよ〜☆☆
 その後「かなり酔っ払ってます。酔っ払った時に作った曲をやります」みたく言うから何やるのかな〜って思ったらサプライズ!俺の記憶が正しければNUMBER GIRL解散後ソロでも演奏されたことがなかった『OMOIDE IN MY HEAD』が飛び出しました!ビックリ&ニッコリ♪
 本編最後は「もうグラングランに酔っとるね。まあ、そういうコンセプトやからいいわね。」みたく言ってアコギを弾きかけ「ああ、こっちか、やっぱな」とエレキに替えて『自問自答』。かなり久々でしたが、いい感じに酔っ払ったことで逆に歌詞の無常観が際立ち、めっちゃ心に響きました☆
 
 続く友川カズキ氏の辛口トーク炸裂&言葉が粒立って神経をヒリヒリと刺すような圧巻のライヴがあり、アンコール登場した友川氏に呼び出された向井さんは、友川さんのアコギを弾いてエノケンのコミックソング『東京節』を演奏♪終わってギターを置いた後も「らーめちゃんたらギッチョンチョンでパーイのパイのパイ」をつぶやき歌って去っていきました(^o^)
 いろんな意味で心に沁みる本当に素晴らしい最高の一夜になりました☆☆☆―――向井さん、友川さん、どうもありがとう!

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Last Updated: 2024/4/13 Sat.

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