ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #m-37 :Que(110824)
2011.8.24 下北沢 CLUB Que
 
 下北沢エリアには本当に数多くのライヴハウスがありますが、そのステージに向井さんが立つ機会はバンドとしてもソロとしても、ここ数年は不思議に少ないんです。そんな中、久しぶりに向井さんがアコエレとして下北沢でライヴを行いました!
 会場は、NUMBER GIRL時代に東京2度目のライヴ(1998/4)を行ったCLUB Que―――。しかも、当時と同じ“VIVA YOUNG!”というイベントで、なんか不思議な縁を感じます。
 この日の対バンは、向井さんの話によると福岡時代からの知り合いで、久々の再開だという「とんちピクルス」氏であります。
 ウクレレとカラオケCDRを駆使して、風刺の効いたコミカルなライヴを展開してくれた「とんち」氏に続いて向井さんが緑地に白ラインのシャツで登場しました。
 
 1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
 2. Asobi
 3. Delayed Brain
 4. SAKANA
 5. KARASU
 6. TATTOOあり
 7. OMOIDE IN MY HEAD
 8. ふるさと
 9. The Days Of NEKOMACHI
 10. WATER FRONT
 
 今回は、ステージ上にアコギもシンセもなくて、すべての演奏をエレクトリック・ギターのみで行う形式のライヴでした。
 まずはザクザクした小気味の良いカッティングが冴える『SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE』で空気を換えて、アコエレでは極めて珍しい『Asobi』へ。しかも、今回はシンセなしだから、たぶん初めてかも?エフェクターの機能を活用して、重層的な音世界を創ってくれました。2番の歌詞はなかったけど、めっちゃ新鮮な演奏でした☆
 ノンストップでつないで始まった『Delayed Brain』では、「フラストレーション」のカッティングとリフレインをユーモアたっぷりで見せて、いわゆるMCタイムへ。
 向井さんは、長く続いているこのイベントや美容院でライヴをやったという「とんち氏」との思い出を語る中で、福岡時代の笑える話をしてくれました。―――当時、セミというバンドをやっていた岡崎蝉男という男のアパートには、いろんな奴等が集まって来ていた。部屋にはストーブがあって、その上に何日も煮込んでいるような鍋が掛かっており、みんなで突ついたりした。部屋に、古いファミコンソフトの『魔界村』というのがあって、やり始めたら、徹夜でやってしまい、クリアーした―――こんな話です(笑)。
 演奏に戻った向井さんはリフを重ねる『SAKANA』に続く『KARASU』で、新しいアレンジを披露してくれました。アコギ弾き語りでの吸い込まれるような透明感とは一味違う不思議な雰囲気をエフェクターを駆使して表現してくれました。
 この日大活躍していたエフェクターが、「carbon copy」というアナログ・ディレイでした。特にノイズを付けた残響が拡がっていくような音色を多用していて、このことで曲の印象がまるで変わるんです!凄い、凄い!
 そんなエフェクターの活躍は、後半になっても続き、最後の『WATER FRONT』では、リフを重ねることで原曲とは違った雰囲気を楽しませてくれました。
 
 今回のライヴでは、改めて向井さんのギタリストとしての魅力&エフェクターマスターって呼びたいぐらいな音の魔術師ぶりを堪能できて、とってもよかったです♪
Live Report #139 :RIJ(110806)
2011.8.6 ひたち海浜公園 SOUND OF FOREST
 
 今年の夏フェスで、ZAZEN BOYSとして唯一出演したのがRIJ―――。2年連続でしたが、今年は、緑が多くて野外フェス感たっぷりのSOUND OF FORESTに初登場です。
 今までのLAKE STAGEに比べて持ち時間が短いのが少し残念ですが、逆にステージとの距離も近いし、草のフロアとの一体感も新鮮でした。
 
 1. MABOROSHI IN MY BLOOD
 2. IKASAMA LOVE
 3. RIFF MAN
 4. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 5. Weekend
 6. COLD BEAT
 7. Asobi
 
 今回、ステージが変わったことと関係があるのかわかりませんけど、大きいフェスでは珍しい光景がありました。本番前のサウンドチェックに、いつも出てくるリズム隊の一郎&敦コンビだけでなく、なんと全員が登場したんです!こういう規模のフェスでは珍しいからちょっとビックリ!しかも、サプライズはそれだけで終わりません。もや〜っと、各自でチェックした後、向井さんの指令で『SI・GE・KI』を前半だけ演奏。さらに、新たな指令で短めですがいわゆる『MATSURI SESSION』を展開。これ、本編ちゃいますからね。凄くないすか?てか、凄く楽しかった&最高の前菜を頂きました(^_^)
 そして、向井さんは2回ぐらいマネージャーの森さんに「あと何分?」と聞いていましたが、予定時間3分前に「もうやろう」みたくなって、4人は引っ込むことなく本編へ突入です。大相撲でいえば「制限時間前に立つ」みたいに気合いがみなぎった瞬間を逃さないスタート。こういうところにベテランならではの風格と予定調和を嫌う潔さを感じました。
 
 本編は、ちょっと久々の『MABOROSHI IN MY BLOOD』〜『IKASAMA LOVE』という立ち上がりで始まり、そこで上がったテンションを『RIFF MAN』でさらに加熱上昇させる展開。もうとにかくカッコいい。
 『HIMITSU GIRL'S〜』をハンパない集中力でブチかまし、『Weekend』をユーモアたっぷり&ダンサブルにキメてくれちゃったら、おい、もう終盤だよ!
 最近やり始めたゾクゾクするほど素敵なイントロ部分はナシで『COLD BEAT』が始まりましたが、中盤のインプロセッションの導入でベースをフィーチャーするなど実験精神は満載☆
 最後の『Asobi』を、野外がクラブに変わっちゃうような色っぽい演奏で締めて、初登場のステージから去っていきました。
 
 このフェスで初めて見た人も、きっとトリコになってくれただろう短時間に魅力を凝縮したようなライヴでした♪―――素敵な前菜があったから、7曲以上に感じられたし、マジ嬉し楽しい時間をありがとうです☆
Live Report #138 :UNIT(110721)
2011.7.21 代官山 UNIT
 
 今年、極端にバンドとしてのライヴが少ないZAZEN BOYSが、かなり久々となるUNITに登場しました!
 VINTAGE ROCK企画で続いているイベント“NO MARK”の第22弾であると同時にUNITの7周年記念のライヴイベントで、対バンはTHE SALOVERS、SuiseiNoboAz、kamomekamome(登場順)。ZAZEN BOYSは、トリでの出演であります(^o^)
 
 1. WHISKY & UNUBORE
 2. RIFF MAN
 3. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 4. Weekend
 5. DARUMA
 6. 東京節
 7. COLD BEAT
 8. Asobi
 
 こういうイベントだけに、メンバー全員が参加してのセットチェンジを見れるのも楽しかったですが、それが終わると無言で1曲目の『WHISKY & UNUBORE』がスタート!
 何度聞いても素晴らしい曲ですけど、1曲目で演奏されることは少ないので、そういう意味でも新鮮で、もう一瞬でZAZEN WORLDに連れ去られました♪&素敵だった〜☆
 2曲目以降は、5月の野音と同じ流れでしたが、もちろんハコの規模も違うし、空気も違いますから、どの曲もビシビシ脳内と身体を刺激してくれちゃいます(^o^)
 この日の向井さんは、その魅力の一つである「笑いの精神」をフィーチャーしてる感じで、すんごく密度の濃い演奏をしながらも、なんかいつも以上にニコニコして、興奮してる自分を傍観者として笑ってるみたいな空気を出してて、とっても面白かったです。(例えば、『DARUMA』後半のチャルメラ部分とか)
 フロアタムを叩いての『東京節』では、最後の付け足しで『じゃりン子チエ』をうなった後、「夏休みの子供特番などでご覧になったことがあるはずです」みたいなコメントを。
 終盤『COLD BEAT』では、聞くたびにシビれる新開発のイントロに改めて感動しちゃいました〜♪終盤のコール&レスポンスもチョコっとあったし、最高でした☆
 アンコール登場はナシの本編だけでしたが、とっても充実感のあるライヴだったし、もっともっともっとライヴに参加したくなりました!やっぱZAZEN BOYSは違うわ。別格っす!
Live Report #m-36 :La.mama(110610)
2011.6.10 渋谷 La.mama
 
 渋谷にある老舗的ライヴハウスで29周年を記念するイベントが行われており、その一つとして『Wordplay』というタイトルの2マンライヴに向井さんがソロ出演しました。
 対バンは、NUMBER GIRL時代から交流がある小谷美紗子さんのトリオ。向井さんの出番は、最初でした。(2人とも、このハコへの出演は初めてだそうです)
 
 1. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING [A]
 2. KU〜KI [A]
 3. WATER FRONT [A]
 4. I don’t know [E]
 5. SAKANA [E]
 6. KARASU [A]
 7. The Days Of NEKOMACHI [E+A]
 8. ふるさと[A]
 9. OMOIDE IN MY HEAD [A]
10. 自問自答[E]
 
 照明が切り替わらぬうちに登場した向井さんは、氷で満たされたワインクーラーから缶ビールを取り出して一口飲んでから、アコギを手にしてライヴを開始しました。
 空気を探るような感じで2曲が終わり、3曲目の『WATER FRONT』中盤辺りからヴォーカルもギターも「攻め」に入ってきた感じの序盤でした。
 エレクトリックで『I don’t know』を掻き鳴らした後、リフのメモリー重ねが魅力の『SAKANA』では、後半に今までないぐらいのギラギラしてノイジーなフレーズが投入されて、凄い迫力でした。
 その次が、一転して哀愁たっぷりでアコースティックな『KARASU』だから、まさに緩急バランス抜群な構成!何度も書いてるけど、これ名曲です♪
 続いて、Eの掻き鳴らしメモリーから始まりA→Eとつないでいく『The Days Of NEKOMACHI』では、今回アコギ弾き語り部分をわざとボソボソっとした感じで歌うことで、エレクトリックの絶叫部分との落差が激しくなっていて、すんごく面白かったです!
 この曲が終わったところで、やや長めの告知。ちょうど、この日から本多劇場で公演が始まる大人計画・ウーマンリブの芝居『SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER』(作・演出=宮藤官九郎)の音楽を向井さんが担当していることを告げ、「なかなかいい感じに仕上がったもんですから、このサントラをリリースしようと思っております」とのこと。
 舞台も7/10までやっているので見たいけど、向井さんの手掛けた劇音楽がCD化されるなんて、超嬉しいっす!めっちゃ楽しみ〜(^_^)
 そして終盤―――。大震災に対する向井さんの鎮魂歌だと俺が勝手に思ってる『ふるさと』が、フロアに染み渡り、このところ連続で披露されてる『OMOIDE IN MY HEAD』へと続きます。
 最後は、「次は、いよいよ安田美沙子さんの登場です。最近水着の仕事も減ってるようですが、ゆっくりお楽しみください」みたいなジョークで小谷美紗子氏を紹介し、『自問自答』を歌い上げてライヴを終えました。
 
 対バンの小谷美紗子TRIOも楽しかったし、勝手に想像してた2人のセッションはなかったけど、なんかとっても温かい気持ちになれたライヴでした☆
Live Report #137 :FEVER(110526)
2011.5.26 新代田 FEVER
 
 バンドとしては久々に小さめのハコでライヴがありました!大震災の影響で延期となっていたFEVER3周年イベントで、対バンはダブレゲエバンドのDry&Heavyさんです。前回の野音で、個人的に最後列を初体験してみましたが、今回はそうは行きませんよ〜(笑)。本来のポジション=最前列にて、じ〜っくり堪能させていただきました♪
 
 1. SI・GE・KI
 2. RIFF MAN
 3. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
 4. Honnoji
 5. Weekend
 6. You make me feel so bad
 7. 東京節
 8. COLD BEAT
 9. Asobi
 
 照明が変わらないうちに登場したメンバーが位置に付くと、まず向井さんは延期ライヴの振替公演実現を喜ぶコメントを一言―――。そして、一郎君の野太いベースが『SI・GE・KI』のイントロを刻み始めます。改めてメンバーを目の前にして体験すると、やっぱ演奏だけじゃなくて気合も伝わってくるから最高♪
 そんな幸福感に浸る暇もなく、2曲目から『RIFF MAN』。溢れる音の攻撃、そして一瞬一瞬ハラハラするスリリングな駆け引きに、全神経を集中させつつ踊りましたっ☆
 その後の3曲も、特別に新しいアレンジを披露するわけじゃないのに、どの曲も鮮度バツグン!やっぱ他のバンドにはない「高度なテクニックの濃厚な演奏とユーモアに溢れた即興性を合わせ持つ」という唯一無比のバンドならではっすね〜!
 6曲目には、ちょい久々の『You make me feel so bad』。ミディアムテンポの曲ながら、中盤からカシオマンのギターがハンパなく狂いまくって(←もちろん、いい意味)素敵でした〜♪
 そして、この対バンの実現を改めて感謝するコメントの後、「あまりの嬉しさに、大正の祭り節をやりましょう」みたいに言って『東京節』を演奏。フロアタムを叩く向井さんだけじゃなく、全員がめっちゃ楽しそうだったのが印象的でした。本編部分の後には、またも向井節が付きました。(いろいろ調べてみた結果、はるき悦巳氏作詞のアニメ『じゃりン子チエ』の主題歌《バケツのおひさんつかまえた》を引用しているみたいです。⇒「トラのふんどし ヒグマのバッチ ムカデのハブラシ ぶらさげて チャブスやまで ドンコつり……」)
 愉快で楽しいお祭り気分を抱えてセンターに戻った向井さんから、メンバーに眼で指令が飛ぶと、前回の野音で初体験した絶品の『COLD BEAT』導入部分がスタート!そう、やっぱこれ新曲じゃなかったんですね。うん、とにかく素晴らしく素敵でカッコいいんです♪文字で再現出来なくて悔しいですけど、あえて書くと…、『Memories』っぽいギターのリフが中心となって、中盤から2本のギターが「フレーズの追いかけっこ」をするみたいな展開―――わかるかな〜?
 そんなとにかくめっちゃ素敵な導入部から始まった『COLD BEAT』は、中盤の向井指揮者セッションでも長過ぎず短過ぎずの絶妙な長さでワクワクさせてくれました☆☆
 最後は、クールでウェットな『Asobi』で、これまたZAZEN BOYSならではの空気感で会場を包み込んでステージを去って行きました。
 
 この日は、なんかメンバー全員がゴキゲンな状態に思えたし、もちろん演奏も最高だったし、めっちゃ楽しかったです♪&定位置の最前に戻って、改めて思いました。あ〜、やっぱここだわ!(笑)。

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Last Updated: 2024/6/14 Fri.

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