ZAZEN BOYSを中心とした向井秀徳作品に関するコメントやライヴレポなどを書いております。
Live Report #m-43 :吉祥寺(130430)
2013.4.30 吉祥寺 キチム
 
 去年の2月に引き続き、吉祥寺の多目的スペースにて行われた風呂ロック企画の“キチムライブ”に向井さんがソロで出演しました。
 ステージの設置が前回とは違っていましたが、今回も2部構成になっており、休憩を挟んで約3時間近い充実のライヴとなりました。
 
《第1部》
  1. CRAZY DAYS CRAZY FEELING[E]
  2. Delayed Brain[E]
  3. YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING[A]
  4. NEKO ODORI[A]
  5. KARASU[A]
  6. 感覚的にNG[A]
  7. PIXIEDU[E]
  8. 前髪(新曲)[E]
  9. はあとぶれいく[E]
  10. SAKANA[E]
  11. WATER FRONT[E]
 
            ===休憩===
 《第2部》
  1. SI・GE・KI[E]
  2. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE [E]
  3. TATTOOあり[E]
  4. TUESDAY GIRL[E]
  5. 鉄風、鋭くなって[E]
  6. OMOIDE IN MY HEAD[E]
  7. 性的少女[E]
  8. 自問自答[E]
 
 EN1:ああ正当防衛[A]
 EN2:This Charming Man(by The Smiths)[A]
 EN3:Blackbird(by The Beatles)[A]
 EN4:守ってあげたい(by ユーミン)[A]
 
 
 ほぼ定刻でステージに現れた向井さんは、照明の具合を尋ねるスタッフを軽くあしらって缶ビールをグイと飲んでからライヴをエレクトリックでスタート!
 アコギに持ち替えてからの2曲目に大好きな『NEKO ODORI』を演奏してくれましたが、今回は哀愁溢れる今までに比べて力強い編曲に変わっていて新鮮でした。続いての『KARASU』も、ハードな感じに変身しており、「攻撃的アコースティック」って感じでした。
 再びエレキに持ち替えて先日初体験した『PIXIEDU』で身体を掻きむしられた後、これも先日初めて披露されたばかりの『前髪』を頂きました(^o^)(サビのフレーズ=「あの子の前髪は短か過ぎて」が印象的)
 そして、公式サイトでも公開されたアコエレならではの魅力たっぷりの『はあとぶれいく』、今まで以上にエフェクターでの変化を増幅させた『SAKANA』と続き、フロアに手拍子やコーラスを求めながらの『WATER FRONT』で第1部を締めます。
 
 約10分の休憩後に、缶ビールから「焼酎水割り」にドリンク替えして再開された第2部は、すべてエレクトリック仕様―――。既成のアレンジを解体して再編成した感じの『SI・GE・KI』から始まり、NUMBER GIRL時代の曲を続けてブチかましてくれました。
 その流れの中、『TUESDAY GIRL』は「長渕テイスト」(笑)を濃くした歌い方だったり、『鉄風、鋭くなって』では、後半にスピードがどんどん加速していったりと、新たな試みも満載でした。
 少しづつ酔いが廻ってきた感じの向井さんは、右手にグラスを持って飲みながら左手でギターのフレットを押さえつつ叩き弾き『OMOIDE IN MY HEAD』を始めます。うん、いい感じに酔っ払っとる(笑)
 ジャカジャカと掻き鳴らすギターが心地よくてカッコいい『性的少女』の後、おかわりしたグラスを飲みつつ「濃い目に作ったな〜。まあ、好きやけど」みたく言ってから本編ラストの『自問自答』に突入します。この日は、「日曜日の真っ昼間」の気分を「中間試験の3日前の気分」などいくつかの例えを挿入して弾き語る珍しいオプションがあって面白かったです。
 
 そして、かなり酩酊ゴキゲン気分で再登場した「アンコール部分」では、「ああ、まだまだやれって感じすかね?そんならやるよ」みたいに明るいクダを巻き(笑)、まもなく公開されるクドカンが監督の映画『中学生丸山』で自分が音楽を担当していることを告知した後、「舞台の音楽もやってまして…」みたく言ってから『サッドソンッグ・フォー・アグリードーター』での挿入曲『ああ正当防衛』(作詞:宮藤官九郎)を歌ってくれました。
 続いて「スミスというゲイバンドの曲」とか言って、久しぶりに『This Charming Man』を歌い、ちょこっと別の曲を歌い始めてから「これ、だ〜れも知らんな」とすぐにやめて『Blackbird』に。表情は結構酔いが廻ってる感じなのにアルペジオはバッチリ美しくて当たり前かもだけど流石ですね〜。
 最後は、フロアの暖かい手拍子を交えてのカバー曲『守ってあげたい』で締め!―――こういうハコならではの「ホロ酔いから酩酊まで」の素敵な〈酔っ払いライヴ〉で、もう最高に楽しかったです♪♪
Live Report #170 :club asia(130410)
2013.4.10 渋谷 club asia
 
 この日、ZAZEN BOYSは久々に渋谷のクラブに登場しました。このハコでは、過去2回ライヴをしていますが、それらは深夜のクラブイベントでした。でも、今回は19:00スタートのライヴイベント“HERE AND THERE”への参加で、バーカウンターのあるスペースにも「クラブな空気」は薄かったので、場所はクラブだけどライヴハウスにいる気分でした。
 そんな中、ZAZEN BOYSは、予想に反してトップバッターとしてステージに現れました。そう、最近お馴染みの「パッと明るくなってゾロゾロ登場」パターンであります。
 
  1. Honnoji
  2. 泥沼
  3. サイボーグのオバケ
  4. 暗黒屋
  5. はあとぶれいく
  6. COLD BEAT
  7. 破裂音の朝
 
 登場後、一呼吸置いてから、向井さんが後ろを向いて目配せし、『Fender Telecaster』のイントロフレーズを3回カマした後『Honnoji』でライヴはスタート。ヒップホップ系のアーティストも登場するイベントのせいか客層もまちまちで、おそらくZAZEN BOYS初体験の人も多いと思われるフロアの空気がざわつくのが感じられて嬉しい幕開けでした!
 続いて、楽しそうに〈ずぼずぼ遊び〉をやりつつファンキーにカッコよく『泥沼』をキメて、その次に「パンツの歌っ!」と言って始まった『サイボーグのオバケ』では、歌詞はイジらなかったけどカシオマンとの〈パンツ対決〉などのサービスはコンパクトかつ最適な尺でやってくれました。
 クラブでのイベントではやらないかと思ってた『暗黒屋』が次にきたのは、個人的にミニサプライズだったけど、逆に超嬉しかったです!中盤のインプロなセッションは、かなりスピーディーでハードコアなやつで、ぐわ〜〜っと盛り上がった後サッと引いてエンディングを迎える流れがカッコよかったすね〜♪(向井さん満面の笑顔にてチャルメラフレーズで締め)
 どんどん加速している『はあとぶれいく』では、向井さんがステージ前方の張り出し部分に置かれた台に足を掛けて「不良スタイル(笑)」で歌うサービスもあって楽しかった(^o^)
 そして、『COLD BEAT』の中盤インプロ部分では〈指差し一本弾き〉などの経て、聡さんに「とりあ〜えず しゃぶらせてよ〜」など歌わせた後、フロアの二人を指名して「さりげ〜なく くちづけてよ〜」と歌わせてから全員合唱に導く流れで、エンタメ度も一級品でした!
 最後を渾身の『破裂音の朝』で締めくくりステージを去った4人でしたが、どんな空間で演奏してもハンパなくカッコよくて、かつユーモア溢れるサービスも忘れないZAZEN BOYSは、やっぱ最高のバンドだと思いました。
Live Report #m-42 :LOFT(130401)
2013.4.1 新宿 LOFT
 
 今年、久しぶりのソロツアーが発表された向井さんですが、それに先駆けて何ヶ所かでライヴがあります。この日は、ライヴハウスの老舗ともいえる新宿ロフトの14周年記念イベント“APRIL FOOL FOR YOU”に大江慎也さんとの対バンで出演しました。
 ロックミュージシャンにとって伝説的な場所でもあり、同県人ながら初の対バンということもあって、向井さんのステージは本人が楽しんでいる気分が伝わる素敵なライヴになりました。
 
 1. SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE
 2. WATER FRONT
 3. SAKANA
 4. TATTOあり
 5. 鉄風、鋭くなって
 6. PIXIEDU
 7. はあとぶれいく
 8. 前髪(新曲)
 9. The Days Of NEKOMACHI
 10. 性的少女
 11. 自問自答
 
 この日のステージにはアコギもシンセも登場せず、エレクトリック1本勝負でしたが、エフェクターの使い方やアレンジなどには、当然の如く変化がありました。
 ザクッと空間をホロ酔い気分にさせるような『SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE』、終盤のリフレインにアコエレならではの哀愁が漂う『WATER FRONT』と続き、エフェクターのメモリー機能を活かした『SAKANA』ではフロアから驚嘆の声が聞こえてきました。
 続く『TATTOあり』では、何度アコエレで聞いても、ついNUMBER GIRL時代を思い出してしまいます。「十数年前に作った曲です」と言って始まった『鉄風、鋭くなって』で、この曲の持つオリジナリティーに改めて感心していたら、次に演奏したのが、なんと『PIXIEDU』!―――この曲、今まで俺が参加したアコエレのライヴでは、たぶん初体験なんじゃないかな…。とにかくレアなことは間違いないです。そして、弾き語りで聞くと、なんかバンドよりパンクな気がしました。
 次の『はあとぶれいく』も、アコエレとしての演奏はあまり記憶になく、アレンジもタイトでヴォーカルを活かした造りになっていて新鮮でした(^o^)
 そして、「向井アコエレの新曲です」みたいに言って披露されたのが『前髪』。彼女の前髪がどうしたこうした(←ごめんなさい。初披露にビックリ見とれて、よく憶えてません)という歌詞で、物凄〜く大雑把に書くと『SAKANA』の姉妹曲みたいな感じがしました。
 続いて演奏した『The Days Of NEKOMACHI』の序盤で、向井さんが「ザ・デ〜イズ・オブ・ネコマチ」と曲紹介っぽく言いますが、その時拍手をしたのが俺を含めて数人だった反応に対して、「薄ら寒い拍手をありがとうございます」と笑いながら言ったのが、めっちゃ面白くて超ウケちゃいました(笑)
 その後の『性的少女』では、導入部に、おそらくシンセで作ってエフェクターに記憶させたんだと思われる『すとーりーず』のイントロみたいなフレーズが流れたのが印象的でした。
 最後を締め括る『自問自答』は、ライヴで体験するのは久々でしたが、大震災や原発事故後も嫌な出来事が続いている現在だけに、リアルタイムで心に痛切に響きました。
Live Report #169 :EAST(130309)
2013.3.9 渋谷 O-EAST
 
 先月ライヴがなかったため、気分的には超ひさしぶりな感じのライヴは、過去にも参加しているイベント“SYNCHRONICITY”への出演でした。なんか不思議な縁だけど、今年2回目のEASTでございまして、今回もメインステージに登場しました!
 サブステージでライヴが行われている中、メインではメンバーが登場し、スタッフさんと共に手際よくセッティングを進めます。薄暗い中で進行する作業を見れるのもイベントならではの楽しみ(^o^) (←幕とか引かれちゃう場合もあるけどね…)
 そして、向井さんが敦さんの方を振り向き「合わせてみるか?」みたいに言った後、なにやら会話があり(←聞き取れず)、急に向井さんが吹き出して、ニコニコ顔のまま「じゃあ、始めますか」とか言うから、いつものサウンドチェックセッションかな?って思ったら、照明が点いていきなり『Fender Telecaster』のイントロからライヴがスタートしました。
 
  1. Honnoji
  2. COLD BEAT
  3. サイボーグのオバケ
  4. 泥沼
  5. はあとぶれいく
  6. 暗黒屋
  7. すとーりーず
  8. 破裂音の朝
 
 この日のライヴは、一言で言うと〈パワフル〉です。ちょっと久々のライヴだし、異種格闘技的なイベントだったせいもあるかもしれませんけど、導入部分から物凄い迫力の熱が感じられました。そのまま流れ込んだ『Honnoji』で、もうフロアは一気に異次元に舞い上がらされた感じです。
 そして、2曲目に『COLD BEAT』を演奏するっていう珍しい展開!うん、これ、かなりレアっす。しかも、いつもの〈遊び部分〉をコンパクトにして全体的にタイトに圧縮した感じで、それが逆に疾走感と〈パワフル〉さを浮き出させてました。
 続いての『サイボーグのオバケ』も委員長は「村田英雄」のままで〈パンツ対決〉もコンパクト、『泥沼』の〈ずぼずぼ遊び〉も短くして、原曲の魅力をクールかつ〈パワフル〉に引き出す結果になってました。
 次の『はあとぶれいく』は、ノッケからドラムスの刻むリズムが更にスピードを増し、向井さんが以前語っていた「ずっと同じコード進行が産む可能性」みたいな物が鮮明になった演奏でした。
 ここまで、インプロ的なセッションを抑制してきた感じでしたが、そのことで蓄積された即興パワーが『暗黒屋』で爆発します!カシオマンのギターが火を点けて始まるインタープレイは、次々に他の楽器に引火して燃え上がり、向井さんの〈坂田明さん的シャベクリ〉がさらに炎を追加させ、物凄い迫力の熱風を伴ってうなぎ昇りました!!そして最後は、さらっとチャルメラでクールダウン。いやいや、すんごく素敵&カッコよかった〜♪♪
 がらっと空気を変える『すとーりーず』(ベースでのメロディラインは、イントロあり後奏なし)と、不協和音なのにメロディアスな絶品の『破裂音の朝』でライヴは終了しましたが、最初から最後まで〈パワフル〉かつZAZEN BOYSの魅力を圧縮したような素晴らしいステージでした☆☆
 ライヴ中、フロアから、たぶん初めて体験した人らしい方々の「すげえ」とか「ハンパないわ」みたいな声が聞こえてきてて、なんか自分のことみたいに嬉しかったです(^o^)
Live Report #168 :QUATTRO(130122)
2013.1.22 渋谷 CLUB QUATTRO
 
 新年2発目のライヴは、Ananogfishとの対バン企画―――。2マンだったので、持ち時間も長いはずなので、めっちゃ期待して夜の渋谷に繰り出しました!出番は、予想に反して先攻でございました。
 
  1. RIFF MAN
  2. Honnoji
  3. HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
  4. サイボーグのオバケ
  5. 泥沼
  6. ポテトサラダ
  7. はあとぶれいく
  8. 暗黒屋
  9. COLD BEAT
 10. すとーりーず
 11. 破裂音の朝
 
 ほぼ定刻に現れたメンバーは、ほんのちょこっと楽器に触った後、当然のような感じでいきなり『RIFF MAN』に突入!日常の時間が急に非日常空間に変わる快感が物凄かったです。
 続いて演奏された『Honnoji』は、久しぶりのオリジナル・ヴァージョン。カシオマンのリフや一郎君のシンバル叩きを久々に体験できて新鮮でした!その後の『HIMITSU GIRL'S〜』では、今更ながらですが、敦さんのドラミングに目を奪われました。特にハイハットの開閉(左足ワーク)などのシンバルワークがハンパなく凄いですよね〜。
 そして5枚目ブロックに―――。「次の曲は、『パンツだらけの運動会』」と紹介して始まった『サイボーグのオバケ』では、「陸軍中野学校予備校理事長、大島渚」の後に「メリークリスマス、ミスターロレンス」という映画でたけしさんが演じた軍曹のセリフが加わり、さらにカシオとの〈パンツ対決〉でもたけしさんの物真似を三回もするなど笑えるサービスたっぷりでした〜(^o^)
 テクの凄さを忘れれるほどアッという間に駆け抜けた『ポテトサラダ』に続き、『はあとぶれいく』は最初っから「飛ばしてるな〜」って感じのスピードで、中盤一瞬ブレイクした後のベースラインとかカッコよかった〜。
 今回も聡さんのギターが口火となって狂乱連鎖が産まれるインタープレイ炸裂で圧巻だった『暗黒屋』に続いて、ライヴに不可欠のアイテム『COLD BEAT』では、「なよ〜〜ん」って感じの音をギター→ドラムス→ベースと順番に出させたりした後、カシオマンにチャルメラメロディーで歌わせましたが、今回の歌詞は「なにげ〜なく からまれてる 六本木で」と「明け方に ド突かれてる 歌舞伎町で」だったので、その〈字余り〉に超ウケた(笑)
 ムーディーなシンセで始まる『すとーりーず』は、イントロと後奏でベースにメロディーラインを弾かせるヴァージョンで、その艶っぽい響きに向井さんも酔ってました。
 そして、向井さんがアナログフィッシュのライヴを去年新宿であったイベントで初体験して、「(なんとなく存在は意識していたがちゃんとは)知らんかった〜」って感じにキたので対バンを持ち掛けた、という話をした後、最後を『破裂音の朝』でぐわ〜っと締めてライヴは終了しました。―――うん、マジ最高♪めっちゃ楽しいライヴだったで〜す☆☆

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Last Updated: 2024/11/2 Sat.

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