| 2013.6.2 甲府 桜座    まず始めに、とても悲しい出来事を書かなければなりません。すでにご存知の方も多いかと思いますが、bloodthirsty butchersの吉村秀樹さんが46歳という若さで急逝されました(5/31公表)。  吉村氏は、NUMBER GIRL時代から向井さんと交流があり、ブッチャーズとは対バンツアーもやっていました。また、つい先日も京都でZAZEN BOYSとの対バンライヴを行ったばかり(4/20)で、来月には久しぶりのワンマンライヴが企画されていました。  そんな中で飛び込んできた突然の訃報には、本当に驚いて、ただただ信じられなくて、数日経った今でも、現実だと受け入れることが出来ずにいます。そして、深い悲しみを抱きつつ途方に暮れています。    この信じられない訃報が伝えられた直後の週末、向井さんは久しぶりのアコエレツアーで全国を廻っている途中で、新潟→長野→甲府という三都市を移動していました。  そして、その三箇所目である甲府のライヴに俺は参加してきましたが、向井さんのソロライヴで遠出するのは初めてだったので、そんな悲しい巡り合わせに複雑な気分でした。  向井さんにとっては二回目の登場となる会場は、元芝居小屋的に使われていたという空間で、木造の古い雰囲気を残す風情ある場所で、客席も階段状の床面に座布団を敷いて作られており、弾き語りのライヴが似合う素敵なハコでした。     《第1部》      1.  CITY[A]      2.  SAKANA[E]      3.  CRAZY DAYS CRAZY FEELING[E]      4.  Delayed Brain[E]      5.  YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING[A]      6.  NEKO ODORI[A]      7.  KARASU[A]      8.  夏の幽霊[A]      9.  夏は来ない[A]  10. 感覚的にNG[E]  11. はあとぶれいく[E]  12. プールサイド(by bloodthirsty butchers)[A]  13. OMOIDE IN MY HEAD[A]  14. WATER FRONT[A]                   ===休憩=== 《第2部》      1.  6本の狂ったハガネの振動[A]      2.  SI・GE・KI[A]      3.  前髪(新曲)[A]      4.  SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE [E]   5.  PIXIEDU[E]      6.  TUESDAY GIRL[E]      7.  TATTOOあり[E]      8.  鉄風、鋭くなって[E]   9. 転校生[A]  10. The Days Of NEKOMACHI[A+E]  11. 性的少女[E]  12. 自問自答[E]    EN1:IGGY POP FAN CLUB[E]  EN2:KIMOCHI(with one girl)    冒頭に書いたような状況下でのライヴだったので、もちろんライヴは濃厚で素晴らしかったんですけど、いつものように熱い口調でレポを書く気分になれないので、今回は一部を除いてあえて事務的に箇条書きしておきました。  その一部とは、本編《第1部》の終盤に演奏されたbloodthirsty butchersのカバー『プールサイド』です。この曲は、NUMBER GIRL時代の向井さんがお気に入りの曲で、バンドのライヴでもカバーしており、吉村さんもどこかで「向井君たちがやったんだけど、これがイイんだよね」みたいな話をされていました。(ブッチャーズ自身、4/20の京都でもアンコールで演奏しています)  その曲を、向井さんはなにひとつ前説もコメントもなく淡々とアコースティックで弾き語りましたが、そこに言葉では言えない深い悲しみや尊敬や追悼などが入り混じった気持ちが籠められているのが切実に伝わってきて、心に染みる演奏でした。  そして、続いて切れ目ナシで『OMOIDE IN MY HEAD』を演奏したことにも、二人の交流してきた歴史や思い出が詰まった気持ちが感じられて、とても感慨深かったです。  これ以外のことは、以下簡単に箇条書きしておきます―――。   ・開演前と休憩中の場内で、なぜかヴァン・ヘイレンの『Jamp』が繰り返し掛かっていた。 ・1曲目の『CITY』は、歌詞が増えて長くなっていたような気がする。 ・『Delayed Brain』では、軸となるリフをメモリーして繰り返させ、それに〈泣きリード〉を被せていた。 ・久しぶりの『夏は来ない』を演奏する前に、「星野源と同じユルホアキャラとして…」みたいな発言。 ・いつになく激しくギターを掻き鳴らした『感覚的にNG』では、「女、女」の部分で「女の股ぐらの奥」とか「女のことしか考えられん」とか連発。 ・第2部の中盤『SENTIMENTAL GIRL'S〜』から『鉄風、鋭くなって』のエレクトリック・ブロックは、すべてが何かに憑り付かれたように激しくスピードが加速した演奏。 ・『性的少女』は、久しぶりで導入部に『真っ黒けっけの海』を付けて演奏。 ・アンコールに応えての2曲目『KIMOCHI』では、客席から小柄な女子を招き入れて歌わせ、自分はコーラスを取り、最後は一緒に楽屋へ去った。 |