“DRUNKEN〜”のC/W曲である。これもCDのカードには遊びがある。

　「間奏」という項目があり、そこに「〜自由に詩を書いて朗読して下さい〜」とある。そして向井氏本人も、この言葉を実践している。

　ライブアルバム『シブヤROCKTRANSFORMED状態』を聞くと、ちょうどこの曲の間奏で向井氏はMCを入れているのだが、このMCがとても好きだ。

　肉まんを喰らいつつ「ドロロンえんまくん」を見ながら夕食の出来上がるのを待っている―――そんな幼い向井さんの幼少時の記憶。そして「ビールを飲もうじゃないか」というアヒト氏への呼びかけ。

　この曲を聞くと、自分の記憶でもないのに、そんな風景に入り込んでしまうのだ。

 

　NUMBER GIRL最初の公式なCDシングルであるこの曲の歌詞カードは、なかなか面白い。

　まずバンド名は、まだ小文字である。アヒトイナザワ氏が、鰰澤亜人となっている。

　向井氏のイラストも、よく見ると凝っている。中の面で男子が構えている銃の台座が、キリンビールであり、表面で男子が吹くラッパから出てくる音は「SAKE」である。

 

　この曲の歌詞そのものにも細工がある。

　歌詞全体が、第一章から第五章までの5ブロックに分かれている。（第四章は、田淵ひさ子　ギターソロ）第三章のタイトルが「都市伝説　Pt1」となっているが、パート２などないのが素敵だ。

 

　残念ながらライブでこの曲を実際に聴いたことはないが、映像で、この曲のアコースティックヴァージョンを見たことはある。かなり前に渋谷BYGでやった（アヒト氏と二人だけ）映像らしいが、弾き語りならではの味があって面白かった。